色も、音も、距離感も。洒落た大人のセンスで乗るヴィンテージ911。若さだけじゃない、積み重ねと磨き上げが生む、いまの格好よさ。遊び心と落ち着きが、心地よく同居している。
ハウスで育てられた華やかな花ではなく、野に咲く草花のような美しさ。本国の香りを残した6MTのSLK200には、“素のまま”の魅力があった。
完成されすぎたがゆえに誤解されがちなGクラス。その本質に、走りで正面から応える一台がある。メルセデスAMGのG63。これは、エンスージアストにこそ薦めたい別物のGクラスだ。
荒れ地を走るために設計されたクルマ。けれど、その力を実感できるのは、意外にも都市のアスファルト。ランボルギーニが初めて世に送り出した“オールテレイン・スーパーカー”は、思いがけない付き合いやすさを持っていた。
「ロールス・ロイスは後ろに乗るもの」。その常識に、ロールス・ロイス自ら異を唱えたクルマ、それがブラックバッジだ。
都会派SUV × オープン。交わるはずのなかった2つを、ただ組み合わせるのではなく、ひとつのスタイルとして成立させたクルマがある。その一台がもたらすのは、他にはない個性と楽しさだ。
スクエアなボディに宿るのは、612psのV12ツインターボ。見た目はクラシックなゲレンデでも、その正体は理性を超えたモンスター。AMG G65は、紳士の顔をした獣である。
ひと目では違いがわからない。けれど、乗り込んだ瞬間から、すべてが違っていた。DB11の延長に思えたDB12は、その名を名乗るだけの進化を、確かに遂げている。
サヴィル・ロウのスーツに身を包んだ外見は、英国紳士そのもの。だがその素性は、パブリックスクール育ちのフィジカルエリート。ジェントルマンの顔をしたまま、ひとたび路上に出れば、誰よりも強いストリートファイター。それがFペイスSVRだ。
センチュリーは乗せられるクルマだと思っていた。だが、現行型は違った。自ら走らせたくなるほどに、繊細で力強い。設計思想も、色名ひとつも、すべてが日本の美意識を宿すこの一台に、“真のトヨタスピリッツ”が息づいている。
スーパーカーに「日常性」を求めるなんて、ナンセンスだろうか?だがアウディ・R8スパイダーは、その常識に異を唱えてくる。
強く主張してくるわけではない。けれど、なぜか心を引き寄せられる──そんな出会いがある。アベンチュリングリーンと呼ばれるその深緑のポルシェは、偶然という言葉の奥に、確かな必然を秘めていた。選んだというより、出会ってしまったと思える一台。