快適さを極めた現行とは異なり、先代にはまだ“ゲレンデらしさ”が息づいている。無骨さと上質さを併せ持つこの一台が、あえて旧モデルを選ぶ意味を教えてくれる。
華やかな4WDブーム以前に現れた直線的な赤いセダン。3代目レオーネは「どこへでも行ける」というスバルの哲学の原点を、いまも伝えている。
官能的なブッソV6と、独自のQシステム。アルファ156は、ただのセダンに収まらない熱を秘めていた。あの頃のアルファロメオをいまも鮮やかに蘇らせる。
多くの人にはただの“変な形の軽”に映るだろう。けれど目的を持つ人にとっては、工夫が詰まった小さな相棒になる。そんなミニカトッポは、夢を積み込んで走る楽しさを教えてくれる。
G350dでもなくG63でもない、玄人好みの選択肢がG550だ。V8の余裕ある力感に、マヌファクトゥーアで仕立てられた特別な仕様が加わり、ゲレンデの奥深さを濃く味わえる。
RVブームの1990年代に生まれたスズキX-90。挑戦的で、遊び心全開のまま四駆とクーペを融合させた唯一無二の存在だ。その“迷作”に触れることは、自動車文化の奥行きを思い出させてくれる体験でもある。
上質さと重厚感が同居するクラシックな空気、沈み込む絨毯の感触──。帝国ホテルを初めて訪れたときのあの感覚を、2代目センチュリーが思い出させてくれた。
深みのあるポルトフィーノブルーにブラックアウトされた外装が映える、ジャガーFペイス RダイナミックブラックD200。後期型になり磨かれた走りと質感が、日常から遠出まで自然に誘い、付き合うほどに魅力を増していく一台だ。
日本仕様でも十分変わっているのに、本国仕様はさらにズルい。ディーゼルのトルクに6速AT、天井いっぱいのガラスルーフ──知られざる“本物のカクタス”の世界が、そこにはあった。
国産SUVから次の一歩を踏み出すなら、世界的ブランドが手掛ける正統派SUVという選択肢がある。レンジローバー・ヴェラールは、日常を豊かに変えるきっかけを与えてくれる一台だ。
3代目となる最新パナメーラ。そのベースグレードには、ポルシェが積み重ねてきたアップデートの集大成と、Sクラスのように滑らかな乗り味、911のような一体感が詰まっていた。
刺激を求める若さではなく、振る舞いを選べる大人の余裕。モータースポーツと紳士の国で磨かれたそのV8は、ドライバーを楽しませる術を知っている。