ミッドシップのまま、遠くへ行ける。マクラーレン GTは、速さの思想を一切崩さずに、GTツアラーとしての成立を目指した異色の存在だ。しなやかな足と構えすぎない空気感は、ポルシェを愛してきた人ほど、その本質に気づかされる。
真のライバルは911。紛れもないスーパーカーでありながら、GTカーのように気負わず付き合える。そんなR8と過ごせば、何気ない日常もドラマになる。
Sクラスが、ただの高級車ではなく“立場そのもの”だった時代がある。2012年式W221後期型は、その空気と成熟した乗り味を、過不足なく今に伝える存在だ。静かに、だが確かに、Sクラスに乗る意味を思い出させてくれる。
SUVという枠組みにありながら、アストンマーティンが持っている“スポーツカーの本能”を思わず感じてしまう瞬間がある。DBXは、そんな感覚にふと出会えるクルマだ。
三菱GTOは、速さを競うためのスポーツカーではない。オートマと4WD、そして90年代のハイテクが生んだのは、腕を誇らせない走りの余裕。いま乗ることで、その贅沢さが立ち上がる。
年式や走行距離では語れない価値が、このM4にはある。前のオーナーが深く付き合い、手を入れた痕跡が走りの質として残っている。ただ速いだけではない。走らせたくなる理由が、確かに存在する一台だ。
中古市場でベースグレードと肩を並べる価格帯に現れた、マカンS。SUVでありながら、走りも音もポルシェらしさが濃く残る一台だ。いま、このSを選ぶという判断が、驚くほど自然に思えてくる。
流行でも、ノスタルジーでもない。ただ古いクルマに、どうしようもなく惹かれる瞬間がある。1988年式クラウンは、記憶にないからこそ新鮮で、想像以上に誠実だった。静かな完成度が、「今こそクラウン」と思わせる一台だ。
ワゴンの延長線に、ほんの少しの余白を足したアウディA4オールロードクワトロ。少なすぎず多すぎない走行距離、こなれた価格だからこそ、行き先も使い方も縛られない。気負わず、自由に楽しむための一台だ。
GT Rはサーキットを目指さなくても、日常のストリートで十分すぎる刺激を放つ。操作の余地と緊張感を抱えたまま走る、その危うさこそがこの一台の本質だ。
雨に濡れ荒れた路面でも、姿勢は一切乱れない。ツインターボの刺激を内に秘めながら、前に出るのは余裕と安定感。頂点を走り続けていた時代のスバルが磨き上げた答えが、このレガシィB4 RSKリミテッドⅡだ。
派手さではなく、余白で語る一台。アルピナB7は、最高速を誇るのではなく、高速域を日常の延長線上に置いてしまうサルーンだ。静かな上質と運転の手応えが、高次元で同居している。