いかにもなコテコテのデザインで仕上げず、シンプルにかつ大胆に。しかし個性は忘れず。ただ「消費される」デザインとは一線を画す。
2リッターモデルでは見えなかったジャガーらしさが、このSグレードにはある。Fタイプ譲りのV6としなやかな足まわり、そしてオプションカラーが映える個体。知る人ぞ知る、隠れた名車に出会えた。
いまのAMGにはない荒々しさと、ただのSクラスでは足りない密度。贅沢も、快適も、速さも無駄だと言われるかもしれない。でも、いいじゃないか。男のロマンは自己満でいい。その全部が、このS63にはある。
レンジローバー誕生50周年を記念して生まれた「Fifty」。熟成された5リッターV8と丁寧な仕立てが、色褪せない特別感をもたらしてくれる一台だ。
鮮やかな黄色いスパイダー。幌も内装も、機関もすべてが整ったこの一台は、ツインスパークの直4が持つ本質的な魅力をいま改めて教えてくれる。理屈じゃない。これがアルファだ。
豪華さも、パワーもない。けれどこのベースグレードのカイエンには、ポルシェらしい“走らせる愉しさ”が残っていた。スペックでは測れない価値に気づける、そんな一台。
地味でもなければ、派手でもない。それでいてスーパーカーという何とも絶妙な匙加減をみせるクルマ。スフィアブルーというカラーリングも相まって所有欲をくすぐる一台だ。
限定生産の小さなコンバーチブル、日産フィガロ。数字では語れない開放感と、淡い光に満ちた優雅な室内。何も足さず、何も奪わず、ただ走る。それだけで、心を整える時間をくれる一台だ。
大柄なボディにド派手な色。2人しか乗れず、実用性よりも贅沢を優先したクルマ。だからこそ、このSL350(R231)をセカンドカーとして大いに推薦したい。
直6炸裂のトップグレードに老舗のチューナーで着飾ったG29のZ4。それですら個性的な一台であるのに、極めつけはサンダーナイトメタリックでレセンスの面目躍如だ。
ただ悪路に強く、頑丈なだけではない。上質さと何十万km先まで走れる信頼感。現代ランドクルーザーの原点は、この100系にある。
フェラーリのフロントエンジン自然吸気V12。その最新モデル「12チリンドリ」と、一世代前にあたる「812スーパーファスト」。通常ラインナップにおけるフラッグシップと呼ぶにふさわしい2台の試乗から、スーパースポーツの象徴でもあるこのブランドが次に描こうとしている未来の輪郭を探る。後編は、その未来を示す存在ともいえる12チリンドリに乗り込んだ。