光岡自動車・ビュートなでしこ(FF/CVT)特別感をくれる最も身近な相棒

クラシックな見た目と現代的な使いやすさ。気軽に付き合えるからこそ、日常にちょっとだけ特別感が生まれる。そんな魔法を、ビュートなでしこは持っている。

クラシックな見た目と現代的な使いやすさ。気軽に付き合えるからこそ、日常にちょっとだけ特別感が生まれる。そんな魔法を、ビュートなでしこは持っている。

「好きになる」きっかけをくれる

クルマを好きになる理由なんて、誰にとっても曖昧だ。速さ? スペック? ブランド? どれも間違いではない。けれどもし「クルマを楽しむという観点で、もっともハードルの低い一台は?」と問われたなら——このビュートなでしこを、そっと差し出したくなる。

このクルマには、覚悟はいらない。知識も経験も不要。だからこそ、「日常に少しの特別感が欲しい」「人と違うクルマに乗ってみたい」——そんな小さな願いを持つ人にこそ、真っ先に薦めたくなる。

光岡自動車・ビュートなでしこ(FF/CVT)特別感をくれる最も身近な相棒

その日からちょっとだけ、世界の見え方が変わる。いつもの道、いつもの買い物。だけどハンドルを握る自分の気持ちが、どこか違う。信号待ちでふと映り込むウィンドウに、このクルマと並ぶ自分の姿が見える。そのたびに、「いいな」と思える時間がそこにある。

クラシックカーのような見た目に、日産マーチをベースにした堅実な機構。だからこそ、手間もコストもかからない。これは、無理せず特別感を最も手軽に味わえるパートナーだ。

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「ジャガー風」は正直どうでもいい

クルマ好きの人なら、このフロントフェイスがジャガー・マーク2のオマージュであることにすぐ気づくだろう。けれど、それが重要だとは思わない。大切なのは、それを自分のものとして自然に受け入れられるかどうかだ。

明らかに“普通のクルマ”とは違うこの顔立ちは、「特別なクルマに乗っている」という気分を、さりげなく盛り上げてくれる。誰かに見せるためではなく、自分の気分を整えるための特別感。そんな存在として、しっかりと機能している。

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それでいてこの「なでしこ」は、リアはマーチ本来のハッチバックの形状。つまり、日常の実用性を犠牲にせず、気取らないクラシック感を纏っている。

通常のビュートが、リアまでセダン風に架装された3ボックススタイルであるのに対して、なでしこは5ドアのまま。全長も短く、そのぶん取り回しもしやすい。軽自動車やコンパクトカーからの乗り換えでも、まったく気負わず乗れるサイズ感だ。

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横から眺めると、ふっくらと丸みを帯びたボディライン。主張は控えめなのに、ちゃんと個性がある。流行のファッションではなく、自分に似合う服をちゃんとわかっている人のような存在感だ。

それがオマージュかどうかよりも、ずっと大切なこと。自分が、自分だけの特別なクルマに乗っているという実感。ビュートがくれるのは、そんな満足感だ。

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“普通”なのに“自分だけ”に感じられる

CVTと1.2Lの自然吸気エンジンは、国産コンパクトカーらしく扱いやすく、静かで、燃費もいい。ステアリングは軽く、小回りも利く。維持費も安く、信頼性も高い。

ベースとなっているのは2010年代のマーチなので、設計も比較的新しく、エアコンの効きや静粛性、乗り心地など、現代の感覚で見ても十分に快適だ。まさに、メカ的には“普通のマーチ”そのもの。

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けれどその「普通さ」が、このスタイリングと重なると、急に特別に見えてくる。通勤、買い物、保育園の送り迎え——どんなシーンにも使えて、しかも「他にない」。

そして何より、今回試乗したこの個体に塗られていた「ラディアントレッド」というボディカラーが、自分の中にある“特別なクルマに乗っている”という気持ちを、さらに盛り上げてくれる。

深みのある赤は、ボディサイドに通されたシルバーのモールと相まって、クラシックかつ品のある佇まいをつくり出している。足元に履かせた鉄チンホイールも、この雰囲気によく馴染んでおり、飾り立てない美しさを引き立てていた。

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インテリアを見ても、その方向性は変わらない。ダッシュボード全体には、外装色と調和するような赤みを帯びた木目調パネルがあしらわれていた。素材は樹脂でも、仕立ては丁寧。そこに「MITSUOKA」の文字がそっと浮かぶ。

ダッシュボード上部にはレザー調の仕上げが施され、ステッチが上質な印象を添えている。それ以外は構造も素材も、ごく普通。黒い樹脂パネルはベース車のまま。なのに、漂う空気はまるで違う。このあたりに、光岡の仕事の奥ゆかしさを感じる。

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乗ることは、選ぶことでもある

スポーツカーのように速くもなければ、高級セダンのような威厳があるわけでもない。だけどこのクルマには、「クルマを楽しむ」という体験の本質が宿っている。

難しさは何ひとつない。運転は簡単で、維持費も現実的。サイズ感もちょうどよく、使い勝手だって申し分ない。なのに、ハンドルを握るとほんの少し気分が変わる。

光岡自動車・ビュートなでしこ(FF/CVT)特別感をくれる最も身近な相棒

それは、誰かに見せるためでも、自動車通に語るためでもない。日常のなかで「ちょっとだけ特別なクルマに乗っている」という、満足感が得られる喜び。そんな“クルマのある暮らし”を始めるための最初の相棒として、これほどハードルの低い一台はそうそうない。

車に興味がなかった人でも、気づけばちょっと車が好きになっている。そういう魔法を、このビュートなでしこは持っている。

光岡自動車・ビュートなでしこ(FF/CVT)特別感をくれる最も身近な相棒

SPEC

光岡自動車・ビュートなでしこ

年式
2018年式
全長
4080mm
全幅
1690mm
全高
1515mm
ホイールベース
2450mm
車重
980kg
パワートレイン
1.2リッター 直列3気筒
トランスミッション
CVT
エンジン最高出力
79ps/6000rpm
エンジン最大トルク
106Nm/4400rpm
  • 河野浩之 Hiroyuki Kono

    18歳で免許を取ったその日から、好奇心と探究心のおもむくままに車を次々と乗り継いできた。あらゆる立場の車に乗ってきたからこそわかる、その奥深さ。どんな車にも、それを選んだ理由があり、「この1台のために頑張れる」と思える瞬間が確かにあった。車を心のサプリメントに──そんな思いを掲げ、RESENSEを創業。性能だけでは語り尽くせない、車という文化や歴史を紐解き、物語として未来へつなげていきたい。

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