- メルセデス・ベンツ / Eクラス オールテレイン(2021)
最高だといえる2つのワケ
メルセデス・ベンツEクラス・オールテレインE220d 4マティックを最高だと断言できる2つの理由。それは、乗り心地、そしてギャップ感である。

メルセデス・ベンツEクラス
メルセデス・ベンツEクラスの世界累計販売台数は1400万台以上。1946年発売のW136/191型以来、同社の中核をなすモデルだ。
2016年から販売される、当テスト車の世代の前期型を含めると、2017年に輸入車販売台数4位、翌年は5位を記録した。SUV隆盛の昨今を考えると輝かしい成績と言えよう。
2020年には、全面改良が施された。初めて新世代のステアリングを採用し、対話型インフォテインメントシステム「MBUX」や、安全運転支援システムをアップデートした。
内外装も変わった。イメージは「シャープかつダイナミック」だという。ヘッドライトは薄く、切れ上がる。グリルは大きな台形だ。
E200とE220dのセンターコンソールは、これまでピアノラッカー調だったのに対し、インテリアのウッドトリムと同様のウッドになった。高級感を高める目的だ。
さて今回の主役、「Eクラス・オールテレイン」の話である。
Eクラスオールテレインとは
オールテレインはひと言でいって、SUVゆずりの高いアイポイントとロードクリアランス、それにワゴンの実用性をかけ合わせた車だ。
ステーションワゴンと比すると、オールテレインの全長は−10mm、全幅は+10mm、全高は+30mm、最低地上高は+25mmというのが公称値である。
特に30mmという全高の違いは印象を大きく変える。シルバークロームのアンダーライド・ガードや、ブラックのフェンダー・ホイールアーチが「オフ車」感を強調する。
パワートレインは194psと440Nmを発生する2リッター直列4気筒ディーゼルターボ1本。9速オートマティックを組み合わせる。「4マティック」が示す通り、駆動方式は4WDだ。
サスペンションは「エア・ボディ・コントロール」と呼ばれるマルチチャンバー・エアサスペンションを採用する。簡潔に申し上げると車速や走行条件、乗車人数や積載状況に応じてダンピング特性と車高を自動調整するエアサス。車高は0〜35mmまで3段階調整する。
オールテレインには、モード切替の選択肢として「オールテレイン・モード」が追加されている。これを選ぶとトランスミッションがオフロードに適したモードになる。また35km/h以下であれば、車高が標準時より20mm高まる。コマンドディスプレイには「ステアリング角度」「車高」「前後左右の車体の傾き」「ブレーキとアクセルの状態」「コンパス」が表示されるという仕掛けもある。
最高だと断言する2つのワケ
この車の魅力は大きく分けてふたつあると思っている。ひとつはライドフィール、もうひとつはギャップ感だと言えそうだ。
まずライドフィール。乗り心地。終始ふわっふわ、とろっとろ。ABC(アクティブ・ボディ・コントロール)サスペンションの効能だ。発進、加速、減速、旋回時に動くボディを、コイルスプリングの電子制御によって最適化する。バネレートが瞬間的に変わるのだ。
可変ダンパーはよくあれど(この車にも備わっている)、バネレートまで一緒に変えてくれる。とても秀逸なトリックである。
車体をゆっくり、大きく動かし、アシがなめらかに屈伸する。さながらクルーザーのようで、もうこれだけでEクラス・オールテレインにのる価値があると言えるレベルにある。
そしてもうひとつの魅力、ギャップ感。樹脂のフェンダーアーチモールがつこうと、シルバークロームのアンダーライド・ガードがつこうと、メルセデスはメルセデス。仕立てのいいセットアップにあえてスニーカーを合わせてハズすようなギャップがイケている。
そこにあるだけで持ち主のスタイルが主張せずとも滲み出る。オールテレインにしかない魅力といえるだろう。それでいて、どうしたって上品にまとまっているのがメルセデス・ベンツらしい特長である。
オールテレイン、いいなあ。スタイルあり、そして極楽。憧れるべき存在なのである。