3代目となる最新パナメーラ。そのベースグレードには、ポルシェが積み重ねてきたアップデートの集大成と、Sクラスのように滑らかな乗り味、911のような一体感が詰まっていた。
豪華さも、パワーもない。けれどこのベースグレードのカイエンには、ポルシェらしい“走らせる愉しさ”が残っていた。スペックでは測れない価値に気づける、そんな一台。
マイアミブルーの鮮烈な青と赤いレザー。7速マニュアルの手応えある操作感。ひとつひとつの仕様が、この911を代わりの効かない一台にしている。このモデルではなく、この個体だからこそ選びたくなる。
ラグジュアリーSUVの先駆けとなったカイエン。その最上級グレード「ターボS」は、いま乗ってもなお、最上の名にふさわしい迫力と存在感を放っていた。
色も、音も、距離感も。洒落た大人のセンスで乗るヴィンテージ911。若さだけじゃない、積み重ねと磨き上げが生む、いまの格好よさ。遊び心と落ち着きが、心地よく同居している。
強く主張してくるわけではない。けれど、なぜか心を引き寄せられる──そんな出会いがある。アベンチュリングリーンと呼ばれるその深緑のポルシェは、偶然という言葉の奥に、確かな必然を秘めていた。選んだというより、出会ってしまったと思える一台。
乗る前から分かっている。当たり前だ、これはいいに決まっている。一旦ターボに舵を切ったモデルを時代に抗い再び自然吸気に戻すということは誰しもができることではない。
カレラSベースで1963台のみ生産。しかしガワだけの限定車にあらず。3.8リッターのRRに通常組み合わされないワイドボディを装備し、このモデルのみの設定が輝く。
ターボを新車でオーダーする。それだけで勇気がいるのに、この個体ときたら。パープルのようなバイオレットブルーにオートマティックを選択し、極め付きは右ハンドルだ。
メッツガー。いくら時間があっても足りないだろう、語りつくすにも次々に想いがあふれ出るだろう。少しでも知ってしまったら最後、もう抜け出せなくなる何かがそこにある。
「エコ」という言葉は避けて通れない。しかしポルシェはこの際「ハイブリッド」を利用し、よりポルシェらしさに磨きをかけた。経済性を利するのでなく走りを利した、のだ。
所詮SUVとバカにする浅薄者よ、世界の「ポルシェ」がそんなヤワなクルマをつくると思いますか?ヘタなスポーツカーの域を超え、高性能スポーツカーより凄いんですから。