- メルセデス・ベンツ / Xクラス(2016)
たった2年の奇跡
メルセデス・ベンツXクラスX250dの試乗記。おそらく日本でほとんど目にすることがないであろうこの車をレビュー。顔と中身のギャップがクセになるのだった…。

メルセデス・ベンツXクラス
メルセデス・ベンツ初の市販ピックアップトラック「Xクラス」の初公開が明るみになったのは、2017年7月18日。前年の「コンセプトX」クラスを受け、2018年モデルとして市販化が確定したのだった。
2018年1月に発表された2017年の全世界における販売実績をみると「ラインアップ中の最新モデルとして好調な販売を続けています」というコメントが残っている。
欧州のみの販売台数は1900台以上に及び、2018年初めに南アフリカとオーストラリア、2019年にはアルゼンチンとブラジルで発売を予定すると勇んでいた。
しかし2020年5月。生産中止が決定。ついぞ日本国内に正式輸入されることなく、Xクラスの歴史は潰えたのだった。
Xクラスの中身は何なのか?
Xクラスは、メルセデス・ベンツを擁するダイムラーとルノー日産アライアンスの協力関係を用いて開発が進められた車だ。
ボディサイズは
全長:5340mm
全幅:1920mm
全高:1819mm
ホイールベース:3150mm
日本市場で最も馴染みあるのはトヨタ・ハイラックスサーフだろうか。こちらは
全長:5340mm
全幅:1855mm
全高:1800mm
ホイールベース:3085mm
というサイズだ(グレード:Z)。
日産のピックアップ「ナバラ」や、ルノー「アラスカン」と基本を共有する。
何よりギャップがおもしろい
実際にメルセデス・ベンツXクラスを目の前にすると、違和感を感じ、次第にクセになる。
というのも、見た目はピックアップトラック。されどディテールはメルセデス。いやメルセデスなのにピックアップトラック…。
乗り込むと、まるでメルセデス・ベンツ。ドアミラーやルームミラーから見える車体後方はピックアップトラック…。
このギャップがおもしろい。
パワートレインは2.3リッター直列4気筒ディーゼルに大小2基のターボチャージャーを搭載したもので実に力強い。エンジンが発する力も確かなもので不足は感じない。
乗り味は…、メルセデス・ベンツの豊かなストロークとしなやかな足さばき…があるわけではないが、優しくマイルドで安心できる。
大きい車体ではあるけれど、ミラーしたや荷台後方カメラのおかげで運転しやすかった。
何よりピックアップでありながら市販高級ブランドの顔と中身をもつ「おもしろさ」を肯定できたら、あなたはこの車のターゲットど真ん中といえる。
これに乗ってどこへ行こう?何をしよう?と思える車はおもしろい。
たとえ短命であっても、いや短命だからこそ、ちょっとした儚ささえ魅力になるのかも?