アルピナに乗ると、自然と耳を、心を澄ませている。アルピナの味があるのか、と。このような心持ちにさせるのがアルピナだ。走らせる前から、私達はアルピナを感じている。
INDEX
D5「S」と名前がつくものの(普通の)D5が存在するわけではなく「D5Sリムジン・アルラット」というのが正式名称だ。リムジン=セダン/サルーン、アルラット=4WDを意味する。
なおマイナーチェンジ前までは「D5Sビターボ・リムジン・アルラッド」を名乗った。特にビターボ=ツインターボを声高に謳う必要がなくなったという判断だったのかも知れない。
日本史上はD5Sリムジン1種類だが、ドイツ本国ではツーリング=ワゴンも存在する。
さて、気になってくるのはそのD5S、アルピナによってどのような手が施されているか、である。次項で追っていこう。
ブレーキはブレンボ製で、前:395mm、後:398mmのディスクとなる。オプションで軽量ドリルド・ローターと高耐熱パッドも選べた。
デジタルメーターがさり気なくアルピナのブルーに変わっている点も見逃せない。デジタル時代の配慮。神は細部に宿るのである。
しかし私は走り出して違和感を覚えた。
ワインディングでもトルクフルで骨太な印象は変わらない。ここまで読むと、鈍重でパワフルなだけの車だという印象を抱くかもしれないが、ことハンドリングにおいてはアルピナそのもの。操舵初期から繊細すぎるほどの反応を示し、また4WDであるのかと疑わしくなるほどリアから内に向けて車体が回り込んでゆく。
細かく区分けしてD5Sを見つめると、かつての奥ゆかしさは霧散してしまったけれど、全体としてはアルピナなのかもしれない…。ここでふと思ったことがある。
SPEC
アルピナD5Sリムジン・アルラット
- 年式
 - 2021年
 - 全長
 - 4980mm
 - 全幅
 - 1870mm
 - 全高
 - 1480mm
 - ホイールベース
 - 2975mm
 - トレッド(前)
 - 1610mm
 - トレッド(後)
 - 1600mm
 - 車重
 - 1960kg
 - パワートレイン
 - 3リッター直列6気筒ディーゼルターボ
 - トランスミッション
 - 8速AT
 - エンジン最高出力
 - 347ps/4000-4200rpm
 - エンジン最大トルク
 - 730Nm/1750-2750rpm
 - サスペンション(前)
 - ダブルウィッシュボーン
 - サスペンション(後)
 - インテグラル・アーム
 - タイヤ(前)
 - 255/30 ZR20
 - タイヤ(後)
 - 295/30 ZR20
 










































