2023年一発目の試乗はアストン・マーティンDBX。アストン・マーティンが放つSUVの第一作目は、既に成熟を感じさせた。どんな人がこの車に合うかを考えた。
ボディサイズは大きい。全長×全幅×全高=5039×2050×1680mm。ホイールベースは3060mmに達する。
たとえばベントレー・ベンテイガが全長×全幅×全高=5140×2000×1740mm。ホイールベースは3000mm。
ランボルギーニ・ウルスは全長×全幅×全高=5112×2016×1638mm。ホイールベースは3003mm。
参考までにポルシェ・カイエン・ターボGTは全長×全幅×全高=4940×1995×1635mm。ホイールベースは2895mmとなる。
このボディサイズ、特にホイールベースには、デザイン上の意図もあるのだという。内外装を見ていこう。
ウインカーの音や各種アラートの音までほとんど全てがヴァンテージで聞き覚えのあるのもで、穿った見方をすれば「流用だらけ」になるのかもしれないが、穏やかな心臓の鼓動のような心地よい音のお陰で嫌な感じもしない。
強いて言うならばインフォテインメントや散らかったスイッチは今後見直してほしいとは思うものの、不満が走りによって霧散するのもアストン・マーティンらしさだといえよう。
サスペンションとステアリングの味付けは2段階、ドライブ(パワートレイン系)とエキゾーストは3段階の区分けとなるが、すべてを引き上げたとて、上品さは残る。かといってダルではない。これほどのスポーティとラグジュアリーの両立に感心した。
スーパーSUVが欲しい向きにとっても、DBXは他となかなか被らない。需要はそこにあり、DBXはそれにきちんと応えている。
そういった意味でアストン・マーティンDBXは同社史上のマスターピースになりうる可能性を最初から華麗に手にした。いいぞ!と思える向きは迷うことなく資金を投じる価値がある。
SPEC
アストン・マーティンDBX
- 年式
- 2021年
- 全長
- 5039mm
- 全幅
- 1998mm
- 全高
- 1680mm
- ホイールベース
- 3060mm
- 車重
- 2245kg
- パワートレイン
- 4リッターV型8気筒ツインターボ
- トランスミッション
- 9速AT
- エンジン最高出力
- 550ps/6500rpm
- エンジン最大トルク
- 700Nm/5000rpm
- サスペンション(前)
- ダブルウィッシュボーン
- サスペンション(後)
- マルチリンク
- タイヤ(前)
- 285/40 YR22
- タイヤ(後)
- 325/35 YR22