RESENSEにて、写真撮影とコラムを書くことになりましたツカサです。1台目は初代BMW X5。依頼された車両ではなく、自ら在庫の中から選び、忖度なく綴っていくコラム。どうぞよろしくお願いします。
現在、1年ちょっと2005年式のマセラティ・クアトロポルテに乗る僕は、そろそろ乗り換えたいなぁ・・・と、浮気心でRESENSEの在庫をチェックしていました。そこで目に飛び込んできたのがこの一台。
まず惹かれたのは見た目。何事も、やっぱり見た目は大事でしょう?
そして色。数年前からシルバーのドイツ車、いや、シルバーのBMWに乗りたいと、心のどこかで思っていて。さらに、大排気量車の虜になっていたこともあり、「何コレ!?めっちゃアリやん!」と、心を奪われたのでした。
このクルマが発売された2002年頃といえば、ポルシェを救ったカイエンが登場し爆発的にヒット。当時の僕はというと、「なぜポルシェみたいなスポーツカーメーカーがこんなクルマを作るの?」と、歓迎ムードではありませんでした。
当然、BMWからの提案も既読スルー。北米市場に向けたSUVという存在を、どこかスノッブな人たちの乗り物だと決めつけ、敬遠していたのです。このX5も、モンスターエンジンを積んだそんな存在のひとつ、というイメージでした。
ちなみにBMW的にはSUVではなく、SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)という独自のコンセプト(笑)。
京都のRESENSE CAVEで見た現車は、想像以上の輝きとオーラを放ち、ピカピカでした。
威圧的なSUVという印象はなく、むしろ顔がかわいい。それもそのはず、E46やE39が現役だった時代のデザイン言語。伝統のキドニーグリルも控えめで、テールの造形も当時のツーリングを縦に伸ばしたような印象があり、愛らしさの中に抜け感を感じさせます。
前置きはさておき、ここからが本題。
2002年のファッションといえば、DIOR HOMMEやGUCCIに象徴されるスキニーデニムにタイトなジャケットが流行。メンズもボディラインを強調し、胸元のボタンを大きく開けてこそセクシーとされた、“キメキメ”な時代でした。このクルマを駆る人たちも、少なからずそんなエグゼクティブ層だったはず。
でも、今そのファッションでこのクルマに乗るのは、少し時代に合わない。
スウェットパンツにゆるめのジャケット。足元はクラシックなニューバランスか、クロケット&ジョーンズあたり。ストリートとラグジュアリーをミックスして、あえて抜け感をつくる。2026年のラグジュアリーは、ゆるくキメてこそ艶っぽい。リラックス感こそが肝なのです。
このX5もまた、ソリッドで質実剛健な存在でありながら、今あえて選ぶことで“キマり過ぎない”良さが際立つ一台。着崩してこそ映えるラグジュアリー。
・・・というより、実は僕が欲しいんですよね、このX5。昔は毛嫌いしていたくせに(笑)。
価格は当時の約4分の1。好きだった時代のBMW。驚くべき低走行(9,000km)。踏めば速いし、音もいい(エンジンもオーディオも)。24年前のクルマとは思えないコンディションで、もはや新車のよう。
手に入れた方はラッキーだと思います。精巧なドイツ製品でありながら、どこか抜け感も併せ持つレアな個体。さりげなく差をつける一台として、ぜひ選んでほしい。
この車のオーナーになる方が、正直、羨ましい!

中川司 Tsukasa Nakagawa
音楽や映画、ファッションなどのカルチャーをこよなく愛し、それらとシンクロする「時代の空気」をクルマに求める自由人。官能的なV8セダンや麗しきクーペ、オープンカーを乗り継ぎ、たどり着いたのは「スペックより愛嬌」という境地(今はここ。たぶん、また変わる)。好奇心という名の、ちょっと浮気な心で新しい刺激を常に追いかける。数値化できない「抜け感」と、今この瞬間の「艶」を大切にするカーライフを、皆さんと一緒に楽しみたい。いつか乗りたいと、心のどこかでずっと思っているのは、80年代のロールス・ロイス。1973年、下関生まれ。

























