BMWアルピナB4カブリオ・ビターボには、アルピナらしさが詰まっている。アルピナらしさとは何か。決して外向きではない、徹頭徹尾、控えめで繊細な「調和」である。
実際に走らせてみると、アルピナの哲学が隅々まで滲み出ていることが分かるのだった。
実際に走らせてみても、3000rpmから発生する最大トルクと、そこから7000rpmまでの、たおやかに回転感のおかげで、確実に手が入ったパワートレインであることが実感できる。骨太でなめらか、なのに後味がすっきりしている。
だが、アルピナの「味」というのは、他にもあるのだった。
このあたりのさじ加減の巧さは、結果的に車全体の感触につながる。
もう想像がつくかもしれないけれど、ハンドリングもしかり。切り始めから遅れなく、しかし唐突ではない反応を見せながら、比較的コンパクトな車体全体をくるりと動かしてみせる。調和。どことなくゴツゴツとした印象を拭えない4シリーズが、かくも繊細に、なめらかになるものか。似ているのは見た目だけで、まったくもって別物の車である。はっきりいって。
SPEC
アルピナB4ビターボ・カブリオ
- 年式
- 2015年
- 全長
- 4640mm
- 全幅
- 1825mm
- 全高
- 1370mm
- ホイールベース
- 2810mm
- トレッド(前)
- 1550mm
- トレッド(後)
- 1580mm
- 車重
- 1615kg
- パワートレイン
- 3リッター直列6気筒ツインターボ
- エンジン最高出力
- 410ps/5500〜6250rpm
- エンジン最大トルク
- 600Nm/3000〜4000rpm
- サスペンション(前)
- ストラット
- サスペンション(後)
- 5リンク
- タイヤ(前)
- 245/30 R20
- タイヤ(後)
- 265/30 R20