RESENSE(レセンス)にとって、欠かせないパートナーのパートナー。「FOURSIDE(フォーサイド)」の山田紘三さんをインタビュー。静かな闘志が滲み出る男。
欠かすことのできない相棒
前回、わたしたちRESENSE(レセンス)にとって、欠かせない仲間である「FOURSIDE(フォーサイド)」を営む「廣澤慧(ひろさわあきら)」さんを訪ねた。
彼にはまた、欠かすことのできない相棒がいる。山田紘三(ひろみ)さんだ。廣澤さんと山田さんは同級生であり、相棒であり、そして運命共同体でもある。
同い年の山田さんと、廣澤さんの出会いは出会いは専門学校1年の時だった。
そこから山田さんは3年制の自動車関係の専門学校に通った。
「大学に行ったら、自分、遊んじゃいそうで…。」
寡黙な山田さんは、手に職をつけたいという目的のもと、車体整備士(板金塗装)の道を18歳の時点で選び、その後10年間にわたり、地元の老舗ボディショップで修行した。
「独立欲はあったほうだと思いますね。」と山田さんは振り返る。
「でも僕の業種って、開業資金が掛かるんです。塗装ブースや道具まで考えたら1000〜2000万円はかんたんにしますから。」
たしかに5歳と3歳のお子さんをもつ1人の男にとって、容易ではないことは想像できよう。
「一緒にやらへん?」と声がかかった
その間、同い年の廣澤さんとはずっと交流があった。
「自分の妻も、社長(廣澤さん)に紹介してもらったくらいですから(笑)」(山田さん)
ちょうどその時、「一緒にやらへん?」。山田さんに廣澤さんから声が掛かった。
2人の「初仕事」は大工仕事からだった。事務所づくりだ。形が整えば、次は車体整備の勉強。そうやって山田さんと廣澤さんは二人三脚でちょっとずつ、しかし粘り強く前に進んでいった。
「ケンカですか? いちどもしたことがありません。なんでやろ。しないようにしてるとかじゃないんです。うまく言えんけど、根本の部分で尊敬してるんでしょうね。」山田さんは少し照れる。
板金修理のみならず、カスタムペイントの依頼もどんどん増えてきている。本気で始めたユーチューブの反響も大きい。
やり甲斐は前職と比べ物にならない
前職では、工房で黙々と作業することが多かった。顧客の顔を見ることさえなかった。
「今はお客様の声を直接伺えます。一緒にじっくりと話し合い、好みの色を見つけたり、意外な提案をさせて頂いたり。これってRESENSE(レセンス)さんの価値観とも通ずる部分やと思います。」
やり甲斐は前職と比べ物にならないという。
「実は僕、前職と比べて、最初は給料が下がったんです。でも、迷いはなかったんですよね。社長(廣澤さん)は、やると決めたら、絶対にやり遂げる男です。だからだと思います。」
寡黙な山田さんの語気が少し強まった。
「夢はあります。かっこいい会社、できればビルとか建てちゃいたいです。そのために何をすべきか、社長(廣澤さん)をどう支えていくべきか、自分なりに考えていきたいですね。」
「京都で一番かっこいい車屋さん」
インタビューを通じて、このフレーズが山田さんから何度も出てきた。静かな闘志を垣間見た瞬間だった。