メルセデスAMG GT 4ドア・クーペ43 4マティック+(4WD/9AT)毎日のAMG

メルセデスAMG GT 4ドア・クーペ43 4マティック+(4WD/9AT)毎日のAMG

メルセデスAMG GT 4ドア・クーペの43 4マティック+に試乗。GT63の後で、より一層GT43の存在意義が引き立った。それは毎日乗られるAMGという点だ。

GT43の中身

メルセデスAMG GT 4ドア・クーペには、43と53、63が存在する。既に63を試した我々レセンスが次に注目したのは43だ。新車発表時の価格差は1177万円。価格差と、実車の差がどうしても気になったのだ。

GT43とGT53は、M256型3リッター直列6気筒ターボ&スーパーチャージャーを搭載し、出力が分けられる。GT53が435psと520Nmであるのに対し、このGT43は367psと500Nmを発揮。エンジンとトランスミッションの間にISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)が配され、21ps/250Nmを発生する電気モーター/オルタネーター/スターターの役割も兼ねる。

それだけではない。アイドリング時には、電気モーターの充電電流を調整する。エンジン回転数を低回転で安定的に保つことができる。さらにシフトチェンジ時にも使用される。エンジンが理想的回転数に達するまでの時間を最小限に抑える。シフトチェンジに必要な時間が短縮され、スムーズでタイムラグの少ないシフトチェンジを実現する。

また排気によるターボチャージャーが効果を出しづらい低回転域では電動スーパーチャージャーが仕事をする。ターボラグが減る。

ISGと電動スーチャーがどんな結果をもたらすのかも見ものである。

駆動方式は4WD。「AMG 4MATIC+」と呼ばれ、前後トルクは、50:50から0:100まで配分される。GT63Sのみリアアクスル・ステアが備わる。

辿ってきた道

2020年7月には、小さな変更が加えられた。

インフォテインメントシステム「MBUX」に自然対話式の音声認識機能が備わる。人工知能が学習し、特定のユーザーに個別対応するようになった。一般的な音声操作に加え、室内温度や証明なども声のオーダーに応える。

またGT43とGT53にパノラミックルーフがオプション設定された(GT63Sにはカーボンファイバールーフがオプション設定された)。

2022年1月、さらにオプションで用意されている「AMG RIDE CONTROL+エアサスペンション」に、改良が加えられた。ダンパー外側に2つの圧力制御バルブを追加。1つはリバウンド制御、もう1つはコンプレッション制御。それぞれを個別制御することで、最小〜最大減衰力の特性さを広げる。快適性とダイナミックな走りの両立を実現したという。

見た目で変化がわかる部分は2点。

最新世代のAMGパフォーマンス・ステアリングが標準装備になる。また「スペクトラルブルー」「スペクトラルブルーマグノ」が加わった(そしてひっそり値上げされた)。

美しいクーペボディのトランクを開くと455リッターの荷室が確保される。リアシートを倒せば1319リッターまで広がる。後席もクーペゆえタイトではあるけれど、ルーフ内装が彫り込まれているため、工夫は感じられる。

43の役割とは

さて試乗である。ボタンを押して瞬時に目覚めた3リッター直6ターボのサウンドは意外にも穏やかなものだった。

アクセルを軽く踏み込むと、瞬時にトルク伝達され、驚くほどスムーズに前進する。先述のISG/スーパーチャージャーの成す技だろう。進み始めてからの滑空感、とでもいおうか、制度の高いベアリングで永遠に回るかのようなフリクションを感じぬ走りにも感心する。

AMGライドコントロールと呼ばれる、コイルスプリングと電子制御式可変ダンパーを備えるテスト車の乗り心地は硬い。オプションのAMGライド・コントロール・プラス・エアサスペンションを組み合わせると印象は変わるだろうか。試してみたいと思った。

5つのモードを切り替える楽しみも大きい。流石に四輪駆動システムやESP制御の変化までは京都の市街地では分からず仕舞いだったけれど、そうでなくともステアリングの表情の変化を十分に楽しめた。振り幅が大きい。

肝心な63との違いについても述べておきたい。GT63に乗って、パフォーマンスに圧倒され、感動した反面、これを毎日乗ったとして、トゥーマッチではないだろうかと心配した。朝昼晩、脂身の多い牛肉を食べるような。

いっぽうの43は、AMGの約束事であるダイナミックな外観、ラグジュアリーな内装を持ち合わせておりながら、これなら毎日でも運転できるなと思えるあっさり感もある。

1177万円の新車価格の差はすなわち、「廉価」ではなく、カジュアルさに繋がっているのかもしれない。何かと絶対値ばかりに目が行きがちなAMGモデルの中でも「43」にしかない役割というものもあるのだ。

SPEC

メルセデスAMG GT 4ドア・クーペ43 4マティック+

年式
2021年
全長
5050mm
全幅
1955mm
全高
1440mm
ホイールベース
2950mm
トレッド(前)
1670mm
トレッド(後)
1670mm
車重
2070kg
パワートレイン
3リッター直列6気筒ターボ/スーパーチャージャー
トランスミッション
9速AT
エンジン最高出力
367ps
エンジン最大トルク
500Nm/4500rpm
モーター最高出力(前)
21ps
モーター最大トルク(前)
250Nm
サスペンション(前)
4リンク
サスペンション(後)
マルチリンク
タイヤ(前)
265/40 R20
タイヤ(後)
295/35 R20
メーカー
価格
店舗
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