2023年の今、フェラーリ458イタリア、ならびにフェラーリ458スパイダーの偉大さを感じずにはいられない。意匠、音、操舵に乗り心地。名車になり得る車である。
この世代まで自然吸気エンジンが搭載され、V8のバンク角は90°。圧縮比は12.5。ロードカーとして初めて、最高出力570psの発生回転数=9000rpmを実現した。一方の最大トルクは540Nm、わずか3250〜6000rpmで発生した。トランスミッションはデュアルクラッチAT。
シャシーはアルミニウム製でボディもアルミ。サスペンションアームもアルミ製であった。
生産は後継の488GTBが登場する2015年まで続いた。
極めて上質でもある。隅々までレザーが張り巡らされ、カーボンパネルが接する。相反するマテリアルに思えなくもないが、思い切りのよいラインの引き方と、丁寧な細工でフェラーリ独特の雰囲気になっている。
これを458スパイダーであれば、ルーフを全開にして直接聞けるのだから、ぜいたくである。また屋根を開け放つと、シートから車体後部にファストバックデザイン的ピラーができる。ルーフ開閉機構の複雑で優雅な様も見られる。ルーフが開く喜びもあるけれど、それ以外の芸術的な喜びもある。新車当時は+230万円のアドオンが必要だったけれど正当化できる。
SPEC
フェラーリ458スパイダー
- 年式
- 2020年
- 全長
- 4527mm
- 全幅
- 1937mm
- 全高
- 1211mm
- ホイールベース
- 2650mm
- トレッド(前)
- 1670mm
- トレッド(後)
- 1610mm
- 車重
- 1430kg
- パワートレイン
- 4.5リッターV型8気筒
- トランスミッション
- 7速AT
- エンジン最高出力
- 570ps/9000rpm
- エンジン最大トルク
- 540Nm/3250〜6000rpm
- サスペンション(前)
- ダブルウィッシュボーン
- サスペンション(後)
- マルチリンク
- タイヤ(前)
- 235/35 R20
- タイヤ(後)
- 295/35 R20