ポルシェ・カイエン・ターボ(4WD/8AT)最上級のシンボル

ポルシェ・カイエン・ターボ(4WD/8AT)最上級のシンボル

3代目ポルシェ・カイエンの中でもカイエン・ターボに試乗。「スポーツカーの精度」「サルーンの快適性」「オフロードカーの走破性」は本当に高いレベルで揃っているのか?

カイエンとカイエン・ターボ

初代ポルシェ・カイエン(955型 後期は957型)がデビューしたのは2002年のこと。2010年には2代目(958型)へとフルモデルチェンジを果たす。この記事の主役、3代目カイエン(E3K30型)のデビューは2017年8月末。その2週間後には、カイエン・ターボが第67回フランクフルト・モーターショーで披露されている。

3代目ポルシェ・カイエンの大きなトピックは、ベースグレードで初めて2t切りを達成している点。筆者もデビュー直後にドライブした際、その身軽さに驚いたものだ。

この記事の主役、カイエン・ターボのデビュー時のキャッチコピーは「SUVにさらなる911らしさを」。4リッターV8ツインターボエンジンは550ps/770Nmを発生。先代と比べると+30ps/+20Nm。ターボチャージャーはVバンクの内側に収まり、結果、燃焼室とターボチャージャーの間の排気経路が短縮されるためレスポンスも向上したというから楽しみだ。パワートレインがコンパクトになったことで低重心化も果たした。

可変ルーフスポイラーなどアクティブエアロダイナミクス、電子制御式3チャンバーエアサスペンション、前後でサイズの異なるタイヤ、新しい高性能ブレーキなど、技術面の新たな武装がこの世代の特徴となる。

0-100km/h加速タイムは4.1秒(スポーツクロノパッケージ装備車は3.9秒)で、最高速度は286km/h。2t超えのSUVのとしては驚異的だ。

ポルシェが主張する3つ両立

走り出してはっきりと言えるのは、ポルシェが主張する通り、「スポーツカーの精度」「サルーンの快適性」「オフロードカーの走破性」の3点をはっきりと両立している点。走破性についてはPECで体験済みだ。

タイトにしつらえられたコックピットでの感覚は、視線と姿勢こそSUVだけれど、鋭く切れるナイフを扱うような痛快さ。フロントが285/40、リアが315/35と異なるサイズがもたらす走りは、明らかにこれまでと異なるもので、この世のどのSUVよりもソリッドだ。

スプリングストラットあたり3つのエアチャンバーが用いられることで、その制御の幅広さにも舌を巻く。たとえばベントレー・ベンテイガのようにふわふわな乗り味ではないのは前提として、それでも一般道で不快感は取り除かれ、その気になればX/Y/Z軸どの方向にも無駄な動きのないアシに様変わりする。

オプション装備であるリアアクスルステアリング、48Vの電気システムに接続された電子制御式ロール抑制システム「ポルシェ・ダイナミックシャシー・コントロールシステム(PDCC)」、「ポルシェ・トルク・ベクトリングプラス(PTVプラス)などをアドオンしたらどんなふうになるのだろう?などと考えていることは991に乗っているときのものと同等である点にも驚かされる。

4リッターV8ツインターボが発する、適度に抑制された、しかし野太いサウンドもまた「フラッグシップに乗っている」という満足感を常に感じさせてくれる。

2列のフロントライトモジュールなど、911ターボとルックスが共通する点も、クルマ好きにとっては嬉しいディテールだ。

「どんな車も『素』のモデルこそ、本当の味を知ることの手がかりとなる」という意見はごもっともで、どちらかというと私も「そっち派」なのだけれど、いざカイエン・ターボに乗ると、「ブリブリなグレードの良さもあるよなあ」と自己肯定感マックスになっている自分も認めざるを得ないのである。

身のこなしが軽く、力も増したカイエン・ターボは、いつだって最上級のシンボルなのだ。

SPEC

ポルシェ・カイエン・ターボ

年式
2018年
全長
4925mm
全幅
1985mm
全高
1675mm
ホイールベース
2895mm
トレッド(前)
1690mm
トレッド(後)
1670mm
車重
2230kg
パワートレイン
4リッターV型8気筒ターボ
トランスミッション
8速AT
エンジン最高出力
550ps
エンジン最大トルク
770Nm/4500rpm
サスペンション(前)
マルチリンク
サスペンション(後)
マルチリンク
タイヤ(前)
285/40 ZR21
タイヤ(後)
315/35 ZR21
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価格
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