ポルシェ・マカンSシュポルト・エディション(4WD/7AT) ポルシェの伏兵

カイエンはトルコンAT、ケイマンはPDK。無理やりな足し引きをすれば、これは「カイエンの小さい版」ではなく「ケイマンの大きい版」かもしれない快速SUVである。

カイエンはトルコンAT、ケイマンはPDK。無理やりな足し引きをすれば、これは「カイエンの小さい版」ではなく「ケイマンの大きい版」かもしれない快速SUVである。

「虎」を意味するマカン

ポルシェ・マカンのデビューは2014年。カイエンよりも小型のSUVとして、2010年終盤から開発が進んでいた。

「マカン」という名前は「虎」を意味するインドネシア語で、俊敏性や柔軟性、力強さを表現した。

2018年10月、ポルシェはマイナーチェンジを発表する。外観の最大の特徴は、カイエンやパナメーラと同じく、「PORSCHE」のロゴが入ったリアガーニッシュが横一直線につながったテールライト。夜間でもポルシェだとすぐにわかるシグネチャーだ。LEDヘッドライトも新デザインとなった。

ポルシェ・マカンSシュポルト・エディション(4WD/7AT) ポルシェの伏兵
ポルシェ・マカンSシュポルト・エディション(4WD/7AT) ポルシェの伏兵

インテリアは、7.1インチから10.9インチに拡大したフルHDタッチスクリーンが目を引く。これに伴い、エアコンの吹出口が縦から横基調のデザインに変更になった。

2021年7月、マカンはさらに改良を受ける。モデルラインナップは「マカン」と「マカンS」、「マカンGTS」の3本立て。2022年には「マカンT」も加わった。

パワートレインは2.9リッターV6ツインターボと2リッター直4ターボの2本立て。口ひげのように黒く塗られた立体構造のフロントバンパーが大きな識別点となる。

さて、話をテスト車に戻そう。2019年式のこのマカンSはちょっと普通とは異なっている。

ポルシェ・マカンSシュポルト・エディション(4WD/7AT) ポルシェの伏兵

Sports Editionを名乗る

テスト車はマカンSであり、同時に「Sports Edition(=シュポルト・エディション)」を名乗っている。

ポルシェはこの車について「マカンSを、更に個性的に仕立て上げる」と説明する。

シュポルト・エディションは、スポーツ・クロノ・パッケージ、速度感応パワーステアリング=パワーステアリング・プラス、路面状況やドライビングスタイルに応じて各ホイールのダンパーの減衰力を調節するPASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメントシステム)が標準で備わる。

ポルシェ・マカンSシュポルト・エディション(4WD/7AT) ポルシェの伏兵

外観の識別点は、GTシルバーメタリックに塗られた21インチ・スポーツ・クラシック・ホイールとスポーツ・デザイン・パッケージだ。スポーツ・デザイン・パッケージとは、フロントエプロン、ルーフスポイラー、リア・ミドルセクション、リアエプロンがエクステリアカラーと同色となるものだ。

テスト車のようにパノラミック・ルーフ・システムを装着したモデルは、1108万円で新車販売されていた。

ポルシェ・マカンSシュポルト・エディション(4WD/7AT) ポルシェの伏兵

アウディQ5との距離感

ポルシェも認める通り、プラットフォームとコンポーネントの3分の1はアウディQ5と共通する。しかし、結論から申し上げて、アウディQ5と乗り味を大きく異にする。

そもそも室内からしてタイトだ。スポーティな外観デザインと呼応して、前列はコックピットと呼ぶにふさわしいドライバーに向いたデザインだと感じる。また後部座席の頭上スペースなどもQ5よりタイトである。

ポルシェ・マカンSシュポルト・エディション(4WD/7AT) ポルシェの伏兵

走りもまたダイナミックな方向に振っている。具体的にはステアリングの反応、アクセルをわずかに踏んだ際の反応、絶対的に信頼できるブレーキなど。見た目はSUVでありながら、ポルシェを名乗るだけに、かなりスポーティな味付けだといえる。だからおのずと運転に心地よい緊張感が生まれる。

かといって乗り心地が硬いと思うことはなく、実用性が損なわれない絶妙なバランスが保たれている。ここもまたポルシェの実用モデルらしい一面だと感じる。

ポルシェ・マカンSシュポルト・エディション(4WD/7AT) ポルシェの伏兵

個人的に好ましく感じたのはノーマルのエグゾーストシステム(出口はスポーツエグゾーストと同じ見た目=スポーツテールパイプ)。ポルシェらしい乾いた音で、人工的な迫力とは異なる3リッターV6の大人っぽさがいい。PDKの変速も、トルクの美味しいところを積極的に、素早く引き出してくれる。

このシュポルト・エディションに限らず、マカンSは、ポルシェを所有する満足感と走りの素晴らしさを味わえるモデルだと感じる。

総じてマカンは、もっとも意のままに操ることができるSUVと断言することができるだろう。

SPEC

ポルシェ・マカンSシュポルト・エディション

年式
2019年式
全長
4695mm
全幅
1925mm
全高
1625mm
ホイールベース
2805mm
トレッド(前)
1660mm
トレッド(後)
1650mm
車重
1940kg
パワートレイン
2.9リッターV型6気筒ターボ
トランスミッション
7速AT
エンジン最高出力
354ps/6400rpm
エンジン最大トルク
480Nm/4800rpm
サスペンション(前)
ダブルウィッシュボーン
サスペンション(後)
マルチリンク式
タイヤ(前)
265/40R21
タイヤ(後)
295/35R21
メーカー
価格
店舗
並べ替え