• フォルクスワーゲン / ゴルフRブラックエディション(2025)

時代が変わっても色褪せないゴルフRという存在

333PSと4MOTIONがもたらす圧倒的な速さを、ゴルフらしい日常性の中に収めたゴルフR。アクラポビッチ製チタンエキゾーストや鍛造ホイールを備えるブラックエディションから、世代が変わっても惹かれるRの本質が滲む。

フォルクスワーゲン・ゴルフRブラックエディション(2025)時代が変わっても色褪せないゴルフRという存在

特別なゴルフ

ゴルフに限った話ではないけれど、スポーティなスペシャルモデルというものは不思議と時代が経っても色褪せにくい。

新型車が登場し、隣に並べて見比べても、むしろ少し前のスペシャルモデルだからこその凄みや存在感を感じることすらある。

そして、その傾向を特に強く感じるのがゴルフという車だ。

フォルクスワーゲン・ゴルフRブラックエディション(2025)時代が変わっても色褪せないゴルフRという存在

今回の車は、そのゴルフの頂点に位置する「ゴルフR」。

さらに通常のRではなく、特別仕様車のブラックエディションである。

ブラックのドアミラーやブレーキキャリパーをはじめ、各部を黒で引き締め、19インチの軽量鍛造ホイール「Warmenau」、専用リアスポイラーを装備。

そして個人的にも一番気持ちが高揚するのが、アクラポビッチ製のチタンエキゾーストシステムである。

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ブラックエディションという名前の通り、単にゴルフRを派手に装飾したというより、もともと持っているRの凄みを黒という色を使って研ぎ澄ましたような仕立てに感じる。

しかも今回の個体はラピスブルーメタリック。

Rを象徴する鮮やかなブルーとブラックのディテールとの組み合わせは、いかにも「分かっている人が選ぶゴルフ」といった佇まいである。

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Rだけが持つ二面性

そして、ゴルフRの面白さは見た目だけではない。

むしろ乗ってからのほうが、この車の凄さはよく分かる。

2リッター直列4気筒ターボの最高出力は333PS。

最大トルク420Nmを発生し、4MOTIONによって四輪へその力を伝える。

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さらに左右後輪への駆動力を可変制御するトルクベクタリングをはじめ、さまざまな電子制御が組み合わされている。

数字だけを見れば、もちろん速い。

ただ、この車の魅力を「速いゴルフ」のひと言で終わらせてしまうのは、あまりにももったいない。

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実際に走り出して最初に感じるのは、まるで二周りほど大きな車に乗っているかのような路面への接地感である。

小さなボディなのに、どっしりとしている。

タイヤが路面を掴んでいる感覚が強く、高速域になればなるほど車そのものが地面へ吸いついていくような安心感がある。

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それでいて、決して重々しいわけではない。

アクセルへ力を加えれば一気に速度を乗せ、ドライブモードを「スポーツ」や「レース」へ切り替えれば、2000rpm以上の力強い領域を積極的に使いながらアクセル操作へ即座に反応してくる。

そしてアクラポビッチのエキゾーストが、その高揚感をさらに一段引き上げてくれる。

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一方でコンフォートに戻せば、これだけの性能を持つ車とは思えないほど、日常へすんなり戻ってくる。

19インチの鍛造ホイールと35扁平のタイヤを履くRでありながら、乗り心地は十分に快適。

この「ものすごく速いのに、ものすごく普通に使える」という二面性は、歴代ゴルフRが持ち続けてきた大きな魅力でもある。

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色褪せない理由

考えてみれば、ゴルフという車そのものがずっとそうだった。

決して大きな車ではない。

華美な高級車でもない。

それでも高速道路を長時間走れば、車格以上の安定感と安心感がある。

人も荷物も普通に載せられて、街中ではコンパクトカーのように扱える。

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そのゴルフという優れた道具を徹底的に磨き込み、とんでもない性能まで与えたものがRなのだと思う。

だから新型が出ても色褪せない。

速さだけを競っている車なら、より速い新型が登場した瞬間に過去のものになってしまう。

しかしゴルフRの価値は、速さだけではない。

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サイズ、実用性、接地感、安心感、快適性。そして必要なときには、圧倒的に速いこと。

そのすべてがひとつの小さなボディの中で、高い水準で調和している。

だからこそ、何年経っても「あの世代のRがいい」という話が成立するのだと思う。

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そしてブラックエディションは、そのゴルフRという完成された存在に、ほんの少しだけ特別な色気を加えたモデルでもある。

普通のゴルフに見える。でも、よく見ると何かが違う。乗れば、もっと違う。

歴代ゴルフが大切にしてきた「羊の皮を被った狼」という言葉が、これほどしっくりくる車もなかなかない。

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新型が登場したから旧くなるのではない。

新しいゴルフが登場するたびに、むしろその世代にしかなかった魅力が浮き彫りになっていく。

今回このブラックエディションに触れて改めて、そんなゴルフという車の奥深さを感じた。

フォルクスワーゲン・ゴルフRブラックエディション(2025)時代が変わっても色褪せないゴルフRという存在
Written By
HIROYUKI KONO

18歳で免許を取ったその日から、好奇心と探究心のおもむくままに車を次々と乗り継いできた。あらゆる立場の車に乗ってきたからこそわかる、その奥深さ。どん...

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