- BMW / X5 xDrive30d(後編・ドイツ)
環境が教えてくれる性能の意味
スイスを抜け、ドイツへ。 そして初めてのアウトバーン。 走り出してすぐに感じたのは、この国の“ルールへの向き合い方”だった。

制限速度区間ではきちんと守る。
だが無制限区間に入った瞬間、一気に速度域が変わる。
なんとも合理的で、そして真面目だ。
そんな中で、X5のアクセルを踏み込む。
国内でも同クラスのSUVに乗って、性能不足を感じたことは一度もなかった。
だがここでは違う。
180km/hを超えたあたりから、クルマの“意味”が変わる。
そこでふと気づく。
「なるほど、この国にはMスポーツが必要なんだ」と。
200km/h近い速度域で、長時間走り続けるという前提。
その中では、足まわりの硬さや、高速域での安定性がまったく別の意味を持ち始める。
日本では「なぜここまで硬いのか」と感じていたセッティングが、ここでは完全に理にかなっている。
どこまでも加速していく力。
そしてそれを支える足まわり。
その両方があって初めて、この環境に対応できる。
だからこそ、この国ではメルセデスならAMG、BMWならM、アウディならRS。
単なるパッケージではなく、本気の上位モデルが普通に走っている。
それは見栄ではない。
必要だから、選ばれている。
そして思う。
クルマの性能は、スペックだけでは語れない。
その国の文化。
使われ方。
そして環境。
それらが揃って初めて、その性能の意味が見えてくる。
今回の旅は、それを強く実感させてくれた。
BMW X5 xDrive30d。
前編では“旅を成立させる器”としての完成度を感じ、後編では“環境によって引き出される性能の意味”を知る。
このクルマは、その両方を静かに体現していた。
そして同時に、ドイツ車がなぜ世界の基準であり続けるのか。
その理由もまた、この旅の中にあったように思う。

18歳で免許を取ったその日から、好奇心と探究心のおもむくままに車を次々と乗り継いできた。あらゆる立場の車に乗ってきたからこそわかる、その奥深さ。どん...
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