BMW・435iクーペ(2014)仕様の美に宿る、余裕という価値

オリオン・シルバーメタリックにレッドレザー、そして直列6気筒。BMW・435iクーペ スポーツは、速さだけでは語れない余裕と美意識を備えた一台だ。走行5,800kmという希少な個体が、その魅力をいっそう際立たせている。

オリオン・シルバーメタリックにレッドレザー、そして直列6気筒。BMW・435iクーペ スポーツは、速さだけでは語れない余裕と美意識を備えた一台だ。走行5,800kmという希少な個体が、その魅力をいっそう際立たせている。

仕様とコンディションの魅力

この一台は、何よりもまず“仕様の美”で語るべき存在だと思う。

オリオン・シルバーメタリックの端正なボディに、レッドレザーのインテリア。そこに組み合わされるのが、435iという直列6気筒モデルならではの余裕である。

さらに2ドアクーペというパッケージが加わることで、この一台は単なるスペックの集合体ではなく、“意志のある選択”として成立している。

BMW・435iクーペ(2014)仕様の美に宿る、余裕という価値

そして、この個体は走行わずか5,800kmというコンディションを保っている。

時間に消費されていないクルマだけが持つ、独特の張り詰めた空気感。それもまた、この435iの魅力のひとつだ。

BMW・435iクーペ(2014)仕様の美に宿る、余裕という価値

速さだけではない豊かさ

走りについては、あらためて多くを語るまでもないかもしれない。

BMW伝統の直列6気筒、いわゆる“シルキーシックス”は、現代ではむしろ希少な存在になりつつある。

低回転から自然に湧き上がるトルク。どこまでも滑らかに続いていく回転の伸び。アクセルを踏み込んだときにだけ現れる、控えめでありながら確かな官能性。速さを誇示するのではなく、あくまで質としての豊かさがそこにある。

BMW・435iクーペ(2014)仕様の美に宿る、余裕という価値

ハンドリングもまた、このクーペの性格をよく表している。

低重心がもたらす安定感と、ステアリング操作に対する正確な応答。ロールを抑えたボディは、狙ったラインをきれいにトレースしながら、どこか余裕すら感じさせる動きを見せる。

BMW・435iクーペ(2014)仕様の美に宿る、余裕という価値

足まわりはスポーティに引き締められているが、速度が乗るにつれて乗り味は次第にフラットに整っていく。

長距離でも疲れを感じさせず、静粛性も高い。クーペでありながら、移動そのものを穏やかな時間へと変えてくれる。

BMW・435iクーペ(2014)仕様の美に宿る、余裕という価値

このクルマが似合う人は

つまりこの435iは、「走るためのクルマ」でありながら、「過ごすためのクルマ」でもある。

たとえば、子育てを終えた夫婦が、このクーペでゴルフや旅へ出かける姿。

あるいは、自分の世界観を持つ若い感性の持ち主が、あえてこの一台を選び、さりげなく乗りこなす姿。

どちらも自然に想像できてしまうあたりに、このクルマの奥行きがある。

BMW・435iクーペ(2014)仕様の美に宿る、余裕という価値

クルマは時に、その人の価値観を映し出す。

この435iが似合う人はきっと、必要以上に語らずとも、自分の美意識を静かに携えている人なのだろう。

BMW・435iクーペ(2014)仕様の美に宿る、余裕という価値

だからこそ思う。

こんなクルマが似合う人が、少しだけ羨ましい。

そして、その“似合う誰か”との出会いを、RESENSEとしてつなげられることを楽しみにしている。

BMW・435iクーペ(2014)仕様の美に宿る、余裕という価値
  • 河野浩之 Hiroyuki Kono

    18歳で免許を取ったその日から、好奇心と探究心のおもむくままに車を次々と乗り継いできた。あらゆる立場の車に乗ってきたからこそわかる、その奥深さ。どんな車にも、それを選んだ理由があり、「この1台のために頑張れる」と思える瞬間が確かにあった。車を心のサプリメントに──そんな思いを掲げ、RESENSEを創業。性能だけでは語り尽くせない、車という文化や歴史を紐解き、物語として未来へつなげていきたい。

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