- メルセデス・ベンツ / V220d マルコポーロ ホライゾン(2019)
モノよりコト
Vクラス・マルコポーロ・ホライゾンのもつ装備をひとつずつ自分の手で確かめた先にあったのは「モノよりコト」の充足感だった。

メルセデス・ベンツVクラス
1998年に欧州ミニバンとして日本に導入されたメルセデス・ベンツVクラス。上質な内外装で「プレミアムミニバン」カテゴリを創出した。累計販売台数は3万台にのぼる。
2003年、2015年にはフルモデルチェンジが実施される。日本のカスタマーのニーズに合わせて、シートレイアウトや電動スライドドアなどの改良が進んできた。
最大の魅力をどう捉えるかはそれぞれだが、私は高いユーティリティを誇りながら、先進の安全装備を備える点だと考えている。追突リスクを低減するレーダー型衝突警告システム「CPA(衝突警告システム)」、車間距離を自動で維持する「ディストロニック・プラス」、ドアミラーの死角範囲をモニタリングし警告する「ブラインドスポットアシスト」、車線逸脱をステアリングの微振動で警告する「レーンキーピングアシスト」が標準だ。
またドライバーの疲労や眠気を70以上のパラメーターで検知して注意力低下を警告する「アテンションアシスト」(恥ずかしながら私はこの装備からよく注意を受ける)、走行中の横風に対して車両片側のブレーキ制御を行う「クロスウインドアシスト」まで備わるプレミアムミニバンはなかなかない。
そしてこのマルコポーロ・ホライゾンには、さらなる特徴がある。
マルコポーロ・ホライゾン
正式名称、メルセデス・ベンツV220dマルコポーロ・ホライゾンは、Vクラスをベースにアウトドアに特化した専用装備を備える。
ポップアップルーフやフルフラットになるベンチシート、回転式フロントシートが主な特徴である。中でも目を引くのがポップアップルーフである。
今回は全ての装備を起動させてみた。
ポップアップルーフは車内に備わるフックでロック解除し、手動で屋根を立ち上げる。室内から車体上の空間を覗くと、その広大なスペースに驚く。大人2名まで乗り込める。読書灯まで備わっているから芸が細かい。
フロントシートもくるりと後ろを向く。アームレストの位置や、背もたれの角度に注意が必要だが、シートが後ろを向けば、後部座席と向かい合わせの個室ができあがる。
2列めシートをそのまま取り外すこともできる。ちょっと大掛かりではあるが、取り外せば足元が広大になる。1列目+広い(広すぎる?)3列目シート、という構成も可。
3列目はフルフラットになる。3列目背もたれに外したヘッドレストを格納できたりもする。ここもまたメルセデスの芸の細かさだ。
フルフラットにすると、1階(そう呼んでいいだろう)に最大3名、2階に2名が横になれる。カーテンを閉めればプライベート空間だ。実際に横になってみると、肉厚なシートのおかげで背中が痛くなることもなかった。
撮影中、メンバーが1人姿を消した。しばらくして、すっきり目覚め顔で2階から降りてきた。全員で笑顔になった。
なんだかワクワクするクルマなのである。
消費はモノよりコトが楽しい
一般社団法人 日本RV協会が毎年発表しているキャンピングカー白書によると、て、キャンピングカー購入の決め手の実に71.6%は車体サイズなのだという。レイアウトや機能は、優先順位として2番手以下である。
いかにサイズ感がキャンパー選びで重要かということがわかる。その点、Vクラスは本格的なキャンピングカーほど大きくなく、しかしゆとりがあるから不満が少ない。
また、私はVクラスというある種プレミアムなミニバンにポップアップルーフが組み合わさる、ちょっとした「違和感」も魅力的だと思う。高級感とカジュアルの掛け合わせが、どこかほっこりする。
同白書によると、日本RV教会員の売上総額は、2021年はが635億円であったのに対し、2022年は127億円増の762億円に達したそうだ。キャンピングカーの市場は拡大を続けている。マルコポーロ・ホライゾンに乗れば、その理由も頷ける。
これに乗って、どんな旅に出よう。消費はモノよりコトが楽しいのである。