• メルセデ・ベンツ / Vクラス エクスクルーシブロングプラチナスイート(2025)

完成したVクラス

従来の美点と弱点、その両方を知るからこそ見えてくる進化がある。エアサスペンションと質感の刷新により、走りも快適性も高い次元で調和した2025年のVクラス。かつて“あと一歩”と感じていた部分が丁寧に整えられ、ついに完成形へと近づいた一台だ。

メルセデ・ベンツ・Vクラス(2025)完成したVクラス

距離を重ねるほどに

Vクラスは、ある意味とても誤解されやすい存在だった。

W447型が登場して以来、数多く触れ、数多く乗ってきた。

世間的には、
「商用車的な乗り味」
「アルファードには及ばない」
そんな評価も少なくなかった。

メルセデ・ベンツ・Vクラス(2025)完成したVクラス

だが個人的には、少し違う印象を持っている。

FRレイアウトによる安定感。荷物や人を多く積んで長距離を走るシーンでの安心感。

何より、走れば走るほど良さが染みてくるクルマだった。

メルセデ・ベンツ・Vクラス(2025)完成したVクラス

短距離の移動であれば、確かにアルファードのほうが第一印象はいいかもしれない。

だが距離を重ねるほどに、このクルマの本質が見えてくる。

長距離での安定感。無理のない姿勢。そしてドライバーの疲労の少なさ。

メルセデ・ベンツ・Vクラス(2025)完成したVクラス

街中でも同様だ。

FRならではの軽やかなハンドリング。

交差点を曲がるたびに感じる、あの“捌けていく感覚”。

このサイズとは思えないほど扱いやすく、そして痛快だった。

メルセデ・ベンツ・Vクラス(2025)完成したVクラス

質感も乗り味も

ただし、弱点がなかったわけではない。

段差を越えたときの、あの“ミシミシ”とした感覚。

足まわりの硬さや、ややバタつく乗り味。

そしてどこか、商用車的な空気を感じさせる瞬間。

率直に言えば、「メルセデスの高級車」として期待すると、わずかな違和感があったのも事実だ。

メルセデ・ベンツ・Vクラス(2025)完成したVクラス

だが今回のモデルは違う。

乗り込んだ瞬間に感じる、明らかな変化。

天井まで張り巡らされたアルカンターラ。細部にまで行き届いた質感。

まず内装の時点で、従来モデルとは一線を画している。

メルセデ・ベンツ・Vクラス(2025)完成したVクラス

そして走り出して、さらに驚く。

エアサスペンションによるしなやかな乗り心地。

それはもちろん想像通りだったが、本当に驚いたのはそこではない。

“ミシミシ言わない”こと。

あれほど印象に残っていた部分が、このモデルではきれいに消えている。

メルセデ・ベンツ・Vクラス(2025)完成したVクラス

剛性感、静粛性、そして乗り味のまとまり。

すべてが高い次元で調和している。

これまで持っていた本質的な走りの良さはそのままに、足りなかった部分だけが丁寧に埋められている。

つまりこれは、単なるアップデートではなく、完成形に近づいたモデルだ。

メルセデ・ベンツ・Vクラス(2025)完成したVクラス

すべてが繋がる

そしてもうひとつ、強く印象に残っていることがある。

先日訪れたイタリア・ミラノ。

ハイブランドのブティックが並ぶ、あの街の空気の中で、何台ものVクラスを見かけた。

その光景が、妙にかっこよかった。

メルセデ・ベンツ・Vクラス(2025)完成したVクラス

日常の道具として、当たり前のように使われながら、街の景色に自然と溶け込む存在。

派手さではなく、選ばれていることそのものが価値になるクルマ。

このVクラスは、まさにそういう立ち位置にいる。

メルセデ・ベンツ・Vクラス(2025)完成したVクラス

実用性も、快適性も、そして、しっかりとした高級感もある。

そのすべてが、ようやく違和感なく繋がった。

これまでVクラスにあと一歩を感じていた人にこそ、ぜひ触れてほしい。

そしてきっと思うはずだ。

「ああ、ここまできたか」と。

メルセデ・ベンツ・Vクラス(2025)完成したVクラス
Written By
HIROYUKI KONO

18歳で免許を取ったその日から、好奇心と探究心のおもむくままに車を次々と乗り継いできた。あらゆる立場の車に乗ってきたからこそわかる、その奥深さ。どん...

Learn More