- ポルシェ・パナメーラ(2024)
“素のパナメーラ”にしかない完成度
このパナメーラに乗ると、あえてベースモデルを選びたくなる理由が見えてくる。軽やかさ、自然さ、そして過不足のない上質感。ポルシェが作る4ドアの本質は、むしろこの仕様にこそ宿っているのかもしれない。

自然に伝わる素性の良さ
パナメーラという車には、初代から現行まで、どの世代もどのグレードも触れてきた。
そして一貫して感じることがある。
それは、“素性の良さ”だ。
世の中には、ベースモデルは少し物足りなくても、特別モデルになると一気に完成度が高まる車が多く存在する。
だがパナメーラは違う。
むしろ“素のパナメーラ”にこそ、この車の真髄があるように感じる。
今回の個体は、2.9L V6ターボを搭載したベースモデル。
だが乗り込み、走り出した瞬間にわかる。
「ああ、この車は根本から良い」と。
車としての素性の良さが、あまりにも自然に伝わってくる。
ポルシェらしい本質
もちろん、このカテゴリーには強豪が多い。
大きなセダン。あるいは4ドアGT。
各メーカーがフラッグシップとして、威信をかけて作り込んでいるジャンルだ。
だからどの車も、基本的には完成度が高い。
だがその中でも、パナメーラは少し特別だ。
なぜなら、“ポルシェが作った4ドア”であることを、走り出した瞬間から感じるからだ。
快適性。静粛性。4ドアとしての安心感。
それらを十分に担保しながら、どこかに必ずスポーツカーメーカーらしさが宿っている。
しかもそれが、いわゆるマッスル感ではない。
「どうだ、速いだろう」そんな主張はしてこない。
むしろ逆だ。
しなやか。滑らか。そして自然。
だがその奥に、ちゃんとスポーツカーの芯がある。
この“しなやかさの中にあるスポーツ性”こそ、パナメーラの本質なのだと思う。
だから長距離も心地いい。街中でも扱いやすい。
それでいて、ワインディングへ持ち込めば、ポルシェらしい一体感をきちんと見せてくれる。
ベースモデルだからこその魅力
さらに興味深いのは、上級グレードになっても、パナメーラらしさを失わないことだ。
ターボモデルも、GTSも、それぞれ素晴らしい。
だが今回改めて感じたのは、“ベースモデルを選ぶ理由が明確に存在する”ということだった。
それは実は、とても珍しい。
普通は上級モデルへいくほど、性能も魅力も濃くなっていく。
だがこのパナメーラは、ベースモデルだからこそのバランスがある。
軽やかさ。自然さ。そして過剰でない上質感。
それらが非常に美しくまとまっている。
今回の個体は有償オプションカラーのキャララホワイトメタリック。ポルシェらしい端正なボディラインをもっとも自然に見せてくれる色のひとつだ。
さらに走行距離はわずか4000km。新車保証も残されており、この世代のパナメーラが持つ本来の完成度を、そのまま味わえる条件が揃っている。
派手さで選ぶ車ではない。
だが深く付き合えば付き合うほど、この車の完成度の高さに気づいていく。
そして改めて思う。
“素のパナメーラ”とも呼べる、ベースモデルを選びたくなる理由が、ここまで明確に存在する車は、意外と他にないのかもしれない。

18歳で免許を取ったその日から、好奇心と探究心のおもむくままに車を次々と乗り継いできた。あらゆる立場の車に乗ってきたからこそわかる、その奥深さ。どん...
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