- ポルシェ・マカンGTS(2021)
魅力はそのままに(前編)
2014年の登場以来、ポルシェらしい走りとSUVの実用性を両立してきた初代マカン。エンジンモデルの生産を終えた今、その魅力を改めて味わいたい上位グレード2台を前後編で紹介します。前編は、2021年式のマカンGTSです。

2014年に登場したポルシェ・マカンは、多くの方にとって初めてのポルシェとして選ばれてきたモデルです。
EV専用となった二代目が登場する一方、初代のエンジンモデルも一部市場では生産が続けられていましたが、2026年7月末でその役目を終えました。
EVモデルの進化は確かに素晴らしいのですが、ポルシェに乗るならやはりエンジンを感じたいところです。
新車時には高値だった上位グレードも、いま改めて見ると現実的な価格になってきました。
まずは、この眩しいカーマインレッドのボディが特徴的なマカンGTSです。
911やカイエンにも使われてきたGTSの名は、単に速さを追うのではなく、走りの濃さに軸足を置いたグレードです。この世代ではSとターボの間に位置しますが、数字だけではその立ち位置を説明しきれません。
外装から見ていくと、この個体は一度目のフェイスリフト後となる中期型です。
フロントバンパーの造形が変わり、テールランプは一文字のデザインへと刷新されました。
GTSでは随所にブラックのアクセントが与えられるため、鮮やかなカーマインレッドとのコントラストも印象的です。
足元には20インチのマカンターボホイールを組み合わせ、ブラックのアクセントと赤いブレーキキャリパーがカーマインレッドのボディを引き締めます。
ドアを開けると、今度は鮮烈なレッドレザーが目に飛び込んできます。ヘッドレストにはGTSのロゴが入り、外装だけでなく室内にもこの個体らしい強い色使いが続きます。
中期型になったことでタッチスクリーンは10.9インチへ拡大。
さらにスポーツクロノを選択しているため、ステアリングには走行モードを簡単に切り替えられるセレクターが備わります。
エンジンは2.9リッターV6ツインターボ。最高出力380ps/最大トルク520Nmを発生します。
過激すぎない乗り心地を保ちながら、スポーツクロノパッケージを備えるこの個体では、0-100km/h加速4.7秒。
ポルシェらしいスポーティな走りと日常での扱いやすさを両立しています。
けれど、GTSの面白さはその数字を使い切ることだけにあるわけではありません。
PASMやスポーツエグゾーストを備え、日常ではSUVとして普通に付き合える一方、少しペースを上げればポルシェらしい輪郭がはっきりと現れます。
後編で紹介するターボ パフォーマンスが、初代マカンの性能を突き詰めた存在だとすれば、こちらは速さと日常の間にうまく居場所を見つけた一台です。
これだけのオプションを備えた個体の新車時価格を考えれば、現在はずいぶん身近なところまで降りてきました。
日常からポルシェライフを満喫するには、かなり好条件と言えるでしょう。
エンジンを積んだマカンが生産を終えた今、その魅力をあらためて味わってみるのも面白いと思います。

絵本よりも中古車情報誌を隅々まで読み込んでいた幼い頃。それ以来、ずっとクルマに魅せられてきた。高校生の時に初めたInstagram「hinacars」では6年間で200...
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