- フィアット / 500X スポーツ(2021)
かわいいだけじゃないチンク
大きくなった現代のMINIが、もはやミニではないと言われるように、コンパクトカーの傑作であるフィアット・500にも、ずいぶん立派な兄弟がいます。 それが、このフィアット・500X。 クロスオーバーらしい雰囲気も魅力ですが、今回ご紹介するのは2020年に追加された「スポーツ」です。

500Xが持つ愛嬌はそのままに、少し引き締まった表情と走りを与えられたモデルです。
まず目を引くのが専用デザインのエクステリアです。フロントには大型のエアインテークを備えた専用バンパーを採用し、リアにはクローム仕上げのデュアルエキゾーストパイプフィニッシャーを備えています。
通常モデルではブラックの樹脂仕上げだったフェンダーモールも、スポーツではボディ同色に。これだけでも、ずいぶん都会的な印象に変わっています。
さらに通常モデルでメッキ仕上げだった各部を、ダークグレーやブラックへ置き換えています。
かわいらしさだけでは終わらない、ちょっと大人びた500Xです。
今回の個体がまとうのは、有償オプションの「イタリアブルー」。鮮やかでありながら、どこか落ち着きも感じさせる色です。ダークカラーの19インチホイールとの組み合わせも絶妙で、イタリア車らしい洒落っ気が漂います。
外装だけでも見どころは十分ですが、内装も丁寧に作り込まれています。
丸みを帯びたヘッドレストが印象的なシートは、スポーツ専用のレザー仕様。ステアリングにはレザーとアルカンターラを組み合わせ、メーターフードにもアルカンターラをあしらっています。視線の先にも、手の触れる場所にも、さりげなく上質な素材が使われています。
機能面もよく整理されています。
多くの操作系がステアリングに集約されており、その他のスイッチ類もシンプルで扱いやすい配置となっています。Apple CarPlayにも対応し、日常の使い勝手にもしっかり配慮されています。
そして500Xスポーツは、見た目だけでなく走りも大きな魅力です。
搭載されるのは1.3リッター直列4気筒マルチエアターボエンジン。最高出力151ps、最大トルク270Nmを発生し、6速DCTを介して前輪を駆動します。最大トルクをわずか1850rpmから発揮するため、街中では排気量以上の余裕を感じさせ、郊外の道でも気持ちよく速度を乗せていけます。
足まわりにも専用のチューニングが施されています。サスペンションだけでなくステアリングにも手が加えられ、通常モデルよりも引き締まった走りを追求。見た目だけのスポーツ仕様ではないところにも、フィアットのこだわりが感じられます。
イタリア車ならではの乗り味が好きな方には、この小気味よい走りはきっと魅力的に映るはずです。
5人がしっかり乗れ、使い勝手も良好。サイズ感も扱いやすく、日常からレジャーまで幅広く活躍してくれます。
近年、こうした個性と実用性を両立したイタリア車は意外と少なくなりました。その中で500Xは貴重な存在です。
かわいらしいだけでは物足りない。でも、実用性一辺倒のSUVもちょっと退屈。そんな人に、この500Xスポーツはちょうどいい選択肢かもしれません。
家族を乗せて、荷物を積んで、いつもの道を走る。そんな当たり前の毎日にも、イタリア車らしい遊び心を忘れない一台です。

絵本よりも中古車情報誌を隅々まで読み込んでいた幼い頃。それ以来、ずっとクルマに魅せられてきた。高校生の時に初めたInstagram「hinacars」では6年間で200...
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