- ベントレー / ベンテイガ V8(2021)
王道となったパイオニア
2015年、ベンテイガが登場した当時、高級SUVはすでに珍しい存在ではありませんでした。しかし、ベントレーのような超高級ブランドがこの市場に参入することは、まだ大きな挑戦でした。

ましてベントレーのような少量生産の高級メーカーがSUVを発売することに対しては、「本当に売れるのか」と懐疑的な声も少なくありませんでした。
しかし2026年のいま、ランボルギーニやフェラーリ、ロールス・ロイスまでもがSUVをラインアップしています。かつては異端にも映った超高級SUVが、いまや各ブランドを代表する存在になっているのです。
そうした競合が出揃った現在でも、ベンテイガはラグジュアリーSUVの代表格として、確かな存在感を放っています。
ベンテイガは、歴代でW12、V8、そしてV6プラグインハイブリッドと、多彩なパワートレインを展開してきました。超高級SUVでありながら、求める走り方や使い方に応じて選べる懐の深さも、このモデルの特徴です。
そのなかでも、ベンテイガの中心的な存在といえるのが、このV8モデルです。ベントレーらしい上品さと、運転する楽しさを高次元で両立した存在だからでしょう。
搭載される4リッターV8ツインターボエンジンは、最高出力550PS、最大トルク770Nmを発生。
約2.5トンの車重を持ちながらも、その豊かなトルクによって高速道路では低回転のまま余裕ある巡航が可能です。静粛性も高く、長距離移動でも疲れを感じさせません。
2020年の大幅改良では、リアトレッドを20mm拡大するなど、走行性能にも手が加えられました。
後席でくつろぐだけでなく、自らステアリングを握る楽しさも大切にしているのが、ベンテイガらしいところです。
エクステリアでは、前後のデザインを中心に大幅な刷新が行われました。
大型化されたグリルの両脇には、カットクリスタルを思わせる精緻な造形のマトリクスLEDヘッドランプが並びます。リアまわりも新デザインのテールランプや統一感のあるマフラーエンドが印象的で、スポイラーも大型化されています。
インテリアはデュオトーンのブラウンレザー仕様。パノラマルーフ装着車のため天井の多くはガラスとなりますが、それ以外のほぼすべてが上質なレザーで仕立てられ、非常に高い質感を実現しています。
ウッドパネルも濃色のレザーと調和しており、細部まで統一感のあるインテリアに仕上がっています。
また、基本操作の多くをアナログスイッチで行える点も好印象。センターに鎮座するブライトリングのアナログ時計は、現代のデジタル化された車内にあって独特の落ち着きを与えています。
一方で、10.9インチのタッチスクリーンや、後席から空調などを操作できる着脱式のタッチスクリーンリモコンも備え、先進性と利便性もしっかり確保されています。
そして何より、ベンテイガは上質なベントレーでありながら、本格的なSUVとしての実用性も兼ね備えています。
広い荷室に加えて、後席を倒せばさらに積載スペースを拡大できます。荷室側のスイッチで車高を下げることもでき、大きな荷物の積み下ろしにも配慮されています。
従来のベントレーといえばセダンやクーペが中心でした。ファミリーカーや日常使いの面でハードルとなっていた部分を、ベンテイガは見事に解消しています。
さらに2026年9月には、ベントレー初の完全電気自動車となるトルカルも発表されました。ベンテイガとは異なる、新たなモデルラインとして登場した一台です。
だからこそ改めて、ベンテイガというモデルの唯一無二の価値が際立ちます。
V8エンジンの鼓動と、ベントレーならではの上質な内外装。
このベンテイガもまた、実に魅力的な一台です。

絵本よりも中古車情報誌を隅々まで読み込んでいた幼い頃。それ以来、ずっとクルマに魅せられてきた。高校生の時に初めたInstagram「hinacars」では6年間で200...
Learn More








