- ポルシェ / 911 ゲンバラGTR550(2002)
均衡する過激と優雅
ゲンバラは1979年の創業以来、ドイツ本国でポルシェを過激かつ豪奢に仕立て続けてきた老舗チューナーです。 創始者ウーヴェ・ゲンバラは本来インテリアデザイナーで、室内の造形を追求するうちにエアロやメカニズムへと領域を広げていきました。

日本でも、その名を馳せたのが、996型ターボをベースとしたGTR550です。
本車両もその一台で、正規輸入車のターボをベースに製作されています。
外装はフロントだけでも圧倒的な存在感があります。大開口化されたバンパー、一見するとエンブレムだけを交換したようにも見えますが、実際は専用のカーボンボンネットへ換装されています。
サイドスカートからリアまですべて専用品へ換装され、ウィングはボディとの一体感が高く、後付け感をほとんど感じさせません。
マフラーもゲンバラ製へ変更され、見た目だけでなくサウンドでも存在感を高めています。
ホイールはアドバンレーシング。赤くペイントされたブレーキキャリパーが収まり、ゲンバラのロゴが刻まれています。
エンジンルームを開けると大型の赤いインタークーラーが姿を見せ、コンピューターもゲンバラ製へ換装されているなど、走りのチューニングも抜かりありません。
外観と走りの激しさに対し、室内は驚くほどラグジュアリーです。
キャメルレザーを贅沢に使い、ステアリング、吹き出し口、センターのウッドが優雅な印象を与えます。
カーボンはメーターフードやスカッフプレートなどに留め、大きな面積にはあえて使わない。見える大きな部分にはカーボンを使わない点が一味違うポイントです。
シートはゲンバラ専用品で、色調を合わせつつホールド性と、純正シートの電動調整機能なども活かされています。
オーディオは純正のBOSEで、トランクにはCDチェンジャーが備わり、CDで音楽を聴きたくなるような、2000年代らしい空気感があります。
しかし紳士的な空間の裏側にはロールケージが張り巡らされ、ゲンバラらしい本性がしっかりと顔を覗かせます。
当時の911最高峰ターボを、さらに過激に、さらに豪華に仕立てた一台。
走行距離は約3.5万km。ウッドパネルにも目立つ割れは見られず、長年丁寧に扱われてきたことが随所から伝わってきます。
まさに、本国チューナーの哲学を随所に感じられる一台です。

絵本よりも中古車情報誌を隅々まで読み込んでいた幼い頃。それ以来、ずっとクルマに魅せられてきた。高校生の時に初めたInstagram「hinacars」では6年間で200...
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