- ホンダ / シビック セダン 1.8G(2007)
ベーシックだからこそ見えてくるホンダ
スポーツモデルばかりがホンダではない。日常を支えるベーシックグレードだからこそ、そのメーカーが本当に大切にしてきた思想が見えてくる。走行1.8万km、5速MTを備えた2007年式シビック セダンは、何気ない一台の中にホンダの原点を宿している。

宿る哲学
ホンダ好きの方にこそ、このシビックを届けたい。
Type Rでも、SiRでもない。
VTECを高らかに歌い上げるスペシャルモデルでもない。
一見すると、ごく普通のシビックである。
しかし、私はこういうベーシックグレードにこそ、そのメーカーの本質が表れると思っている。
スポーツモデルは特別であって当然だ。
むしろ問われるのは、普段使いを前提とした一台をどれだけ真面目に作り込めるか。
そこにメーカーの哲学が宿る。
操る楽しさ
この8代目シビックは、日本市場では決して大ヒットしたモデルではなかった。
北米を主戦場として開発された堂々としたボディサイズや、当時としては未来的だったインテリアデザインなど、日本では少し先を行き過ぎていたのかもしれない。
しかし今改めて乗ると、その完成度の高さに驚かされる。
まず感じるのは、ボディ剛性の高さ。
そこへ、ホンダらしい素直なステアリングフィールが重なる。
1.8リッター自然吸気エンジンは突出したパワーこそないものの、アクセル操作に対して実に気持ちよく反応してくれる。
さらに、この個体は5速マニュアル。
高性能を競うためではなく、日常を豊かにするための5速MTだ。
街中を流しているだけでも、自分で操っているという喜びを自然に感じさせてくれる。
速さではなく、運転そのものを楽しませてくれるホンダらしい味付けだ。
良好なコンディションだからこそ
そして何より、この個体は走行距離わずか1万8000km。
18年を経たとは思えないコンディションだからこそ、このシビックが本来備えていた完成度を、そのまま味わえる。
近年のホンダはスポーツモデルが再び脚光を浴びている。
それはもちろん素晴らしいことだ。
しかし、その礎となったのは、こうした何気ないベーシックモデルを真面目に作り続けてきた積み重ねである。
派手さはない。希少性を競う車でもない。
それでも、このシビックにはホンダというメーカーが長年大切にしてきた「人が操る楽しさ」がしっかりと息づいている。
だから私は、この車をホンダマニアの方へ届けたい。
そして、きっとその方なら、この何気ないシビックの中に、ホンダというメーカーの原点を見つけてくれるはずである。

18歳で免許を取ったその日から、好奇心と探究心のおもむくままに車を次々と乗り継いできた。あらゆる立場の車に乗ってきたからこそわかる、その奥深さ。どん...
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