「カッコインテグラ」と聞いて、世代によってはマイケル・J・フォックスのCMがすぐに思い浮かぶのではないでしょうか。
今ではクルマのコマーシャルにハリウッドスターを起用すること自体が珍しく、当時の空気感を象徴する、かなりバブリーなコマーシャルですね。
1989年、先代のクイントインテグラから「インテグラ」という単独ネームとなった2代目モデル。
4ドアハードトップと3ドアハッチバックが設定され、手の届きやすい価格帯と、ハードトップブーム、そして“少し手頃なデートカー”というニーズを同時に満たしたことで、高い人気を獲得しました。
当時は若者から熟年層まで幅広く支持され、街中でもその姿を見かける機会は多かったはず。
ハードトップに関しては、上皇様が免許返納までお乗りになっていたというエピソードも知られています。
この世代ではまだTYPE Rの設定はありませんが、モータースポーツの世界でもFFスポーツとして活躍しました。
ジムカーナからサーキットまで、このクルマで走りを覚えたという人も少なくないでしょう。B16Aエンジンを搭載したVTECモデルの存在が、「速いインテグラ」というイメージを確立し、その後の世代へと受け継がれていきます。
さて、今回の主役はワンオーナー、かつオリジナルコンディションという、いまや希少な一台です。
1993年登録、つまりモデル末期に生産された個体。まさに最後の時間を刻んだ一台といえます。
搭載されるのは1.6LのZCエンジン。VTECではないベーシックな仕様ながら、ミッションは5速マニュアル。これまたなかなか出てこない組み合わせです。
1990年代からそのままやってきた、まさにタイムレスな雰囲気です。

永井陽向 Hinata Nagai
絵本よりも中古車情報誌を隅々まで読み込んでいた幼い頃。それ以来、ずっとクルマに魅せられてきた。高校生の時に初めたInstagram「hinacars」では6年間で2000台以上の写真と解説を投稿。最新モデルから名車と呼ばれるクラシック、そして誰も気に留めないような隠れた一台まで。日々クルマとの新しい出会いがあり、そのたびに胸が高鳴る。その“ワクワク”を、クルマオタクとしての視点で丁寧に言葉へ落とし込みながら、読者のクルマ人生をより豊かにしていきたいと考えている。







