ロールス・ロイス・ブラックバッジ カリナン(2026)滑らかさのその先へ

淡くも強い意思を宿すDuck Egg Blue。シリーズIIで磨き込まれた滑らかさに、ブラックバッジの芯を重ねたカリナンは、贅沢を受け身で味わう存在ではない。自ら操り、その質感を確かめるためのロールスである。

淡くも強い意思を宿すDuck Egg Blue。シリーズIIで磨き込まれた滑らかさに、ブラックバッジの芯を重ねたカリナンは、贅沢を受け身で味わう存在ではない。自ら操り、その質感を確かめるためのロールスである。

意思と思想を感じさせるもの

最初に惹きつけられたのは、造形でも存在感でもなく、色だった。

淡く、しかし確かな意思を感じさせるDuck Egg Blue。

写真では伝わりきらないこの色は、実車を前にして初めて「なるほど」と腑に落ちる。

ロールス・ロイスにおいて色は装飾ではなく、選択そのものが思想になる。

だからこそ、この色をオーダーするには勇気が要る。だが同時に、その勇気がそのまま“価値”として立ち上がってくるのも事実だ。

ロールス・ロイス・ブラックバッジ カリナン(2026)滑らかさのその先へ

シリーズIIがもたらした洗練

走り出してすぐに感じたのは、シリーズIIで明らかに進んだ洗練だった。

これまでのカリナンに感じていた、わずかな“モッタリ感”。それが、この個体ではほとんど意識に浮かんでこない。

滑らかで、しなやかで、どこまでも角が取れている。ブラックバッジという性格も相まって、動き出しの一瞬からクルマとの距離が近い。

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速さを主張するわけではない。それでも、アクセルに対する反応、ステアリングを切ったときの一体感は、確実に「運転している」という実感を伴って伝わってくる。

“魔法の絨毯”はそのままに、その下にもう一層、ドライバーとの対話が敷かれた。

そんな印象だ。

ロールス・ロイス・ブラックバッジ カリナン(2026)滑らかさのその先へ

ドライバーズカーとしてのカリナン

この個体が面白いのは、右ハンドルという選択と、あえて備えられたサンルーフの存在だ。

ショーファードリブンの世界観を強く押し出すこともできたはずだが、この仕様は明らかに“ドライバー側”に寄っている。

視界は明るく、操作は自然。

大柄なボディであることを忘れさせるほど、取り回しにストレスがない。

ただ快適なのではなく、「乗りこなせている」と感じられる贅沢がある。

ロールス・ロイス・ブラックバッジ カリナン(2026)滑らかさのその先へ

内装に広がるダークトーンの世界は、華美ではなく、静かに緊張感を漂わせる。

ブラックバッジは派手さのための仕様ではない。むしろ、自分の感性を内に秘めたまま楽しむためのロールスだと、このクルマは教えてくれる。

音は遠く、振動は丸く、それでいて路面の情報は不思議なほど自然に伝わってくる。

ロールス・ロイス・ブラックバッジ カリナン(2026)滑らかさのその先へ

Duck Egg Blueが意味するもの

改めて触れておきたいのが、この色だ。

Duck Egg Blueは、理屈で選ぶ色ではない。

だからこそ、新車オーダーでは躊躇する人も多いだろう。

だが、こうして実物を前にし、「この色が似合う世界観」を体感できることの価値は計り知れない。

ロールス・ロイス・ブラックバッジ カリナン(2026)滑らかさのその先へ

この一台には、感性で選ぶ楽しさと選んだ後の納得感、その両方が詰まっている。

このブラックバッジ カリナンは、スペックや価格で語るための一台ではない。

シリーズIIで磨き上げられた走りの質感。ブラックバッジによって与えられた芯のある性格。そしてDuck Egg Blueという、強い意思を宿した色。

ロールス・ロイス・ブラックバッジ カリナン(2026)滑らかさのその先へ

この個体との出会いは、RESENSEを通じて提供できるからこそ嬉しい。

そして、この一台がどんなお客様と出会い、どんな日常の一部になっていくのか。

その物語の始まりに立ち会えることを、心から楽しみにしている。

ロールス・ロイス・ブラックバッジ カリナン(2026)滑らかさのその先へ
  • 河野浩之 Hiroyuki Kono

    18歳で免許を取ったその日から、好奇心と探究心のおもむくままに車を次々と乗り継いできた。あらゆる立場の車に乗ってきたからこそわかる、その奥深さ。どんな車にも、それを選んだ理由があり、「この1台のために頑張れる」と思える瞬間が確かにあった。車を心のサプリメントに──そんな思いを掲げ、RESENSEを創業。性能だけでは語り尽くせない、車という文化や歴史を紐解き、物語として未来へつなげていきたい。

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