- ボルボ / EX30(2024)
ミニマリズムと電気が出会った答え
派手さや速さではなく、心地よさで満たしてくれる一台がある。ボルボEX30は、コンパクトSUVと電気自動車、そして北欧デザインという3つの要素を美しく調和させたモデル。移動の質そのものを見つめ直した先に生まれた、新しい豊かさを体感した。

すべてが穏やか、すべてが自然
ボルボというブランドが長年培ってきたスカンジナビアンデザイン。その思想と、電気自動車という新しい乗り物が、ここまで美しく調和した車は他にあるだろうか。
EX30はボルボ史上もっともコンパクトなSUVでありながら、ブランドの電動化戦略を担う重要なモデルでもある。
従来の「足し算」で高級感を演出するのではなく、「引き算」によって豊かさを表現するという北欧らしい思想が車全体に貫かれている。
物理スイッチを極力減らしたインテリア、必要なものだけを残した空間設計、そして再生素材を積極的に採用したキャビン。そのすべてが電気自動車という存在と違和感なく溶け込んでいる。
実際に乗り込んでみると、その思想は走りにも表れていた。
EV特有の静けさと滑らかな加速が、このミニマルな空間設計と見事に呼応していた。
エンジン音で高揚感を演出するのではなく、静寂そのものが贅沢になる。
アクセルを踏み込めば必要十分以上の力強さを持ちながらも、そのすべてが穏やかで自然だ。
大きなSUVでは味わえない軽快さと、このサイズだからこそ成立する一体感。電気自動車とコンパクトSUVという組み合わせの相性の良さを、改めて実感させられた。
派手でも豪華でもないけれど
そして、この車でもっとも印象に残ったのがインテリアである。
ダッシュボードに組み込まれた半透明の発光パネルは、スウェーデン北部のアビスコ国立公園の地形をモチーフにしたデコレーション。
昼と夜で異なる表情を見せるその景色は、単なるイルミネーションではない。
自然そのものを車内へ持ち込んだような美しさがあり、乗るたびに北欧という土地の空気まで感じさせてくれる。
「移動」は本来、目的地へ向かうための時間だった。
しかしEX30は、その時間そのものを心地よく変えてしまう力を持っている。
華美な演出はない。豪華さをこれでもかと主張するわけでもない。
それでも、この北欧デザインに包まれながら静かに街を流しているだけで、不思議と気持ちが満たされていく。
まるで、お気に入りの北欧家具に囲まれたリビングで過ごしているような感覚である。
北欧の価値観を体感
これほどまでにミニマリズムと電気自動車が高い次元で調和した一台は、そう多くはない。
必要以上を求めず、本当に必要な豊かさだけを丁寧に残す。
その思想は、単なるデザインではなく、この車と過ごす時間そのものを豊かに変えてくれる。
北欧という土地が育んだ価値観を、最も自然なかたちで体感できるボルボ。それが、このEX30という一台なのである。

18歳で免許を取ったその日から、好奇心と探究心のおもむくままに車を次々と乗り継いできた。あらゆる立場の車に乗ってきたからこそわかる、その奥深さ。どん...
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