ポルシェ・タイカン4S(4WD)ポルシェが造った電動車

ポルシェ・タイカン4S(4WD)ポルシェが造った電動車

レセンスとしてはポルシェ・タイカン初試乗。電気自動車はどうか?そしてポルシェが造ったとわかるのか?これが本試乗の焦点に。

ポルシェ・タイカンとは?

ポルシェ・タイカン。「タイカン」の名は、「若い活発な馬」(トルコ語)の意。前身となるコンセプトカーは2015年、「ミッションE」として、3大陸同時披露された。プロダクション版は2019年のフランクフルト・ショーで。かなり気合いの入った披露だった。

現在、日本で発売されているタイカンは5グレード存在する。高価なモデルから順に

タイカン・ターボS
タイカン・ターボ
タイカンGTS
タイカン4S
タイカン
となる。駆動方式はタイカン(後輪駆動)を除いて全て四輪駆動となる。

この記事の主役はタイカン4S。ターボS、ターボの次に発表されたモデルである。

パフォーマンスバッテリー搭載のタイカン4Sは390kW(530ps)のオーバーブースト出力を発生。2デッキのパフォーマンスバッテリープラスを搭載すると出力は420kW(571ps)となる。

いずれも0-100km/h加速タイム4.0秒。航続距離は、パフォーマンスバッテリーで最大407km、パフォーマンスバッテリープラスでは最大463kmと謳われる(WLTP準拠)。

ポルシェ・タイカン内外装

タイカンのボディサイズは全長×全幅×全高=4963×1966×1381mm。ホイールベース=2900mm。同門のパナメーラは5049×1937×1423mm、2950mm。

パナメーラのイメージでタイカンに近づくと、コンパクトで幅広、そしてとにかく低い車であると感じる。

流線形のキャビン、リアへと続くCピラー、フェンダーの力強いショルダーは911のそれと強い共通項を感じる。ポルシェが「フライライン」と呼ぶボディ後端に落ちてゆくルーフラインは特にポルシェらしいデザイン。それでいて後席の頭上空間に大きな不満が無い点はデザインの巧みさだと思う。

自立型の湾曲したインストルメントクラスター、10.9インチインフォテインメントディスプレイは「未来感」を強調する。テスト車にはオプションのパッセンジャーディスプレイも設置されており、さながらSFの世界観だ。

電源ボタンのみ物理スイッチをとり、後は基本的にタッチパネルで操作する。

ポルシェにしか造れないEV

ステアリング左横の独特なレバーを「D」に入れるとタイカンはスーッと走り始める。

ステアリングの握りの硬さ、ステアリング剛性の高さ、ステア操作に対する反応などなどから、タイカン4Sはとてもスポーティな印象をドライバーに抱かせる。

アイポイントも低く、見た目はサルーンであるけれど、その実、スポーツカーの感覚に近い。乗り心地は決してふわふわではないものの、しなやか。不快だと感じることはない。

アクセルをひと踏みすると、無音のまま、そして車体をフラットに保ったまま、空気を突き破るように加速する。

電気にしかないラグの無い加速。内燃機関の「速い」が「ゆっくり」くらいの表現に変わるほどの衝撃である。

ターボSと比較すると加速力は劣る。あちらは「暴力的」どころか「暴力」くらいの加速で、油断しているとむち打ち症になりそうだ。

4Sはいっぽうで節度がある加速力。とはいえ0-100km/h=4.0秒である。路上のほとんどの車を置き去りにできる実力である。

EVの世界がやってきたら車は家電みたいに味気ないものになる、と危惧する声も昔はあった。しかしタイカンに乗ればわかる。やっぱりポルシェにしか造れないEVがある。

レセンスでは順次、タイカンのあらゆるグレードをテストしていく予定だ。

SPEC

ポルシェ・タイカン4S

全長
4963mm
全幅
1966mm
全高
1381mm
ホイールベース
2900mm
トレッド(前)
1710mm
トレッド(後)
1690mm
車重
2260kg
パワートレイン
電気モーター
モーター最高出力(前)
238ps
モーター最大トルク(前)
650Nm
モーター最高出力(後)
435ps
サスペンション(前)
ダブルウィッシュボーン
サスペンション(後)
マルチリンク
タイヤ(前)
225/55 R19
タイヤ(後)
275/45 R19
メーカー
価格
店舗
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