マセラティ・レヴァンテSロイヤル・エディション(4WD/8AT)耳で、目で、感動する

マセラティ・レヴァンテSロイヤル・エディション(4WD/8AT)耳で、目で、感動する

マセラティ・レヴァンテSの2021年モデルは、ひっそりと熟成していた。ロイヤル・エディションは、魅力をさらに底上げしてくれていた。耳で、目で、それを体感した。

「ロイヤル・エディション」

マセラティ・レヴァンテSは、3リッターV型6気筒ターボエンジンを搭載する。430psと580Nmを生み出すこれは、フェラーリ由来。出力は2種類用意されていた。

この他にV8や、ディーゼル(廃止)、マイルドハイブリッド(2L 直列4気筒ガソリンターボエンジン+48V BSG)モデルがあり、V8搭載のトロフェオは試乗済みだ。

マセラティ・レヴァンテ・トロフェオ(4WD/8AT)情熱を指名買い

この色に着目した読者はかなりの感度をお持ちだと言ってよさそうだ。「ロイヤル・エディション」は、1984年「クアトロポルテ・ロイヤル」にインスパイヤされた限定車。

レヴァンテ/ギブリ/クアトロにそれぞれ、10台/10台/5台用意され、なんといってもヴェルデ・メタリック(明るくグレーが少し混ざった若草色)とブルー・オッタニオ(落ち着いた奥行きのある紺)の外装色が目を引く。エルメネジルド・ゼニアのナッパレザーとのコントラストも絶妙だと私は思う。

新車価格は1890万円で398万円相当のオプションを装備していた。

「熟成」を感じる乗り心地

今回の試乗コースは東京銀座から、我々レセンスの本拠地がある京都北山までの460kmを、夜を徹して(ほぼ)ひとりでドライブするというものだった。およそ5時間ほどである。

走らせてみて最初に驚くのは、しっとりと落ち着いた振る舞いについてである。過去、さんざんレヴァンテに乗っている身としては、2021年型の落ち着きにまず気がついたのである。「(初期型は)もっとピョコピョコしていたよね」と同乗者も気づいている。

具体的に申し上げると、初期型は、真面目に路面のうねりや凹凸に追従する傾向にあったと記憶している。結果、荒れた道ではそれらを正直に拾う。場合によっては振動を増幅させる。

一方、新しいレヴァンテは、例えば下から入力が入る→伸び側がスッと大きい加速度で伸び切り、それをゆっくり、ふわりと縮ませる。しかも1回で収縮しきろうとせずに、2回あるいは3回の往復でいなしていく。

推察するに初期のレヴァンテは、SUVになる反面、セダンらしさを損なわせないように動きを束縛していた傾向があった。一方で、新しいレヴァンテは、SUVであるという「定数」を受け入れ、そのなかで快適性とスポーティさの間の「落とし所=変数」を見極めたように感じてならないのだ。

調べてみても、サスペンションやブッシュのアップデートを行ったという記録は残っていない。人知れず、密かに施されたエンジニアによる努力なのかも知れない。

耳で、目で、味わう愉しみ

結果、思っていたよりも安楽なドライブになった。ハンドリングやブレーキングの感触にも急すぎるところがない。よって、気持ちよくハイペースで走らせることができる。

忘れてはならないのがレヴァンテのサイズである。全長×全幅×全高:5000×1985×1680mm、ホイールベース:3005mm、車重:2415kgという「規模感」。ご参考までにポルシェ・カイエンが全長×全幅×全高:4920×1985×1695mm、ホイールベース:2895mm、車重:2100kgとなっている。

大きく重たいクルマではあるけれど、自分の手の中ですべての物事が完結している感覚が強く有る。だから音などのエモーショナルな部分をよりじっくりと楽しめる。

3リッターV6ターボは、3500rpmで音が高くなる。4000rpmでもう一段階、音量が増す。乾いた、しかし、まごうかたなき重奏である。このいい音を継続して聴くために、アクセル開度を自分なりに研究するのも楽しいものだ。

その上、この奥ゆかしい色合い。イタリア車は、赤い内装を筆頭に情熱的なカラーを選びがちだからこそ、この組み合わせが光るのだ。

耳で、目で、味わう愉しみがある。

SPEC

マセラティ・レヴァンテSロイヤル・エディション

年式
2021年
全長
5000mm
全幅
1985mm
全高
1680mm
ホイールベース
3005mm
トレッド(前)
1650mm
トレッド(後)
1670mm
車重
2140kg
パワートレイン
3リッターV型6気筒ターボ
エンジン最高出力
430ps
エンジン最大トルク
580Nm/3000rpm
サスペンション(前)
ダブルウィッシュボーン
サスペンション(後)
マルチリンク
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価格
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