- BMW / Z4 2.2i(2005)
今も変わらない立ち姿
初代Z4は、Z3の後継でありながら、その延長線上に収まらないロードスターでした。 Z3からコンセプトやシャシーを大きく刷新し、新世代のBMW2シーターオープンスポーツとして2002年に登場します。

生産を担ったのは、Z3と同じアメリカ・サウスカロライナ州のスパータンバーグ工場です。
今回のグレードは2.2i。
デビュー当初は3.0と2.5の直6のみの設定でしたが、そこへ後から加わったのが、2.2リッター直6を搭載する2.2iでした。
日本では約2年間という比較的短い期間に設定されたグレードですが、最高出力170ps/最大トルク210Nmという使い切れるパワーと、シルキーシックスらしい滑らかさが魅力の一台です。
2.2iではソフトトップも手動式が基本です。今回の個体もその仕様で、ルーフを開けるという行為そのものに、ちょっとした手間が残されています。
上級グレードほど装備を盛り込まず、ロードスターとしての素朴な楽しさに近い。スポーツカーは、一手間あるくらいが楽しい。
そんな価値観に寄り添う仕様です。
そして車両重量1380kg、FR、約50:50の前後重量配分。
このクルマは、BMWがブランドらしさを徹底して追求したシャシーを持っています。そこに、扱い切れる直6を組み合わせたのです。
そしてZ4は、デザインが強い。
当時のBMWデザインを率いていたのはクリス・バングル。そのもとで初代Z4の造形を手掛けたのが、アンダース・ワーミングです。
デビュー当時、その造形はかなり斬新に映りました。しかし20年以上が経った今でも、その立ち姿から古さを感じることはありません。むしろ、時間が経ったことで当時の挑戦的な造形がより鮮明に見えてきます。
キドニーグリルというBMWのアイデンティティを残しながら、滑らかな曲面に鋭いプレスラインを交差させる大胆な造形。
サイドはトリムではなくプレスラインで魅せる。トランクは視覚的にも性能的にもスポイラーとして機能する。
装飾を加えるのではなく、ボディの面そのものをデザインする。20年以上前のクルマでありながら、今見ても造形の密度は驚くほど高いものです。
今回の個体はアルピン・ホワイトIIIのボディに、ベージュレザーという組み合わせです。ルーフを開ければ内装色もエクステリアの一部になるロードスターだからこそ、この配色の意味は大きくなります。
白いボディの軽快さにベージュの柔らかさが加わり、Z4の鋭い造形を少し上品に見せてくれます。
そしてこの個体は1.8万キロで、走行距離が少ない一台です。
ワンオーナーで、整備記録簿も11枚残されています。走行距離が少ないという数字だけではなく、これまでどのように維持されてきたのか、その履歴を追えることにも価値があります。
そんな一台が100万円台前半で手に入るという現実。
良い個体が少なくなる中、条件の揃った一台です。
気になる方は、ぜひこのZ4をチェックしてください。

絵本よりも中古車情報誌を隅々まで読み込んでいた幼い頃。それ以来、ずっとクルマに魅せられてきた。高校生の時に初めたInstagram「hinacars」では6年間で200...
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