- レクサス / ES300h(2020)
今、あえてセダンという選択
SUVが主流となった今、あえてセダンを選ぶという感覚に、静かな知性を感じる。サンライトグリーンマイカメタリックの落ち着いた色味と、日本的良識に満ちたサイズ感。レクサス ES300hは、派手さではなく“整っていること”の価値を改めて教えてくれる一台だった。

SUV隆盛の今だからこそ
RESENSEにおいて、レクサスというブランドは少し珍しい存在だ。
下取りなどでごく稀に入庫することはあるが、積極的に扱うことは多くない。
その中で今回のESは、さらに興味深い立ち位置にある。
ルーツを辿れば、トヨタの「GA-K」プラットフォーム。
カムリをはじめ、RAV4やハリアー、クラウンなど、多くの人にとって馴染みのある車種と同じ思想の基盤を持つ。
つまり、極めて“オーソドックス”な成り立ちだ。
そしてESは、その延長線上にあるFFのフルサイズセダンである。
SUVが主流となった今、この“オーソドックス”という選択は、どこか知的に映る。
さらにこの個体は、サンライトグリーンマイカメタリック。
派手さはない。だが、光の当たり方によって深みを見せる色味だ。
レクサスらしい上品さと、大人の余裕を感じさせる仕立てだ。
RESENSEとしても、ぜひラインナップに加えたいと感じる、そんな一台である。
日本的良識に満ちた
実際に試乗してみると、その印象は少し意外だった。
前席は、思った以上にスポーティーなポジションだ。
しっかりとドライバーを中心に据えた、運転するための空間がある。
一方で後席は、想像通りのゆとり。
ゆったりと身体を預けられる、落ち着いた居住性。
この前後のキャラクターの違いが、このクルマの面白さでもある。
さらに特筆すべきは、そのサイズ感だ。
全幅1865mm。
フルサイズセダンとしては、日本の環境において“良識的”とも言えるサイズ。
駐車場の制限にも引っかかりにくく、日常の中で扱いやすい。
このあたりのバランス感覚は実に日本的であり、同時に実によく煮詰められている。
十分以上の完成度
そして改めて感じるのは、セダンというパッケージの完成度だ。
低い重心。
自然な姿勢。
路面との一体感。
SUVとは異なる、しっとりとした乗り味。
今となってはむしろ、この感覚そのものが新鮮だ。
機能面でも、性能面でも、すでに十分以上の完成度を持っている。
だからこそ思う。
今このタイミングで、あえてこのクルマを選ぶ理由は、確かに存在する。
特別な主張はない。
だが、すべてが整っている。
このESは、そんな静かな説得力を持った一台である。

18歳で免許を取ったその日から、好奇心と探究心のおもむくままに車を次々と乗り継いできた。あらゆる立場の車に乗ってきたからこそわかる、その奥深さ。どん...
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