- フェラーリ・アマルフィ(2026)
GTの完成形が、さらに自然体になった
フェラーリが掲げる2+GTという思想は、新型アマルフィでさらに磨き上げられた。速さや美しさだけではなく、肩肘張らず付き合える心地よさまで手に入れた一台。その進化は、数字やスペック以上に運転する人の感覚へ静かに響いてくる。

今回、フェラーリ・ジャパンよりご招待いただき、新型「アマルフィ」の試乗会へ参加する機会をいただいた。
アマルフィはローマの実質的な後継モデルであり、フェラーリが掲げる2+GTの世界観をさらに熟成させた一台である。
外観はローマの美しいプロポーションを色濃く受け継ぎながら、内外装の質感やインターフェースを刷新。
タッチ操作中心だったステアリングを物理スイッチ主体へ回帰したことや、最新世代のブレーキ・バイ・ワイヤ、電子制御システムのアップデートなど、派手なフルモデルチェンジではなく「完成度を高めるための進化」が随所に施されている。
実際に乗って最初に感じた印象は、「ローマを確実にアップデートした一台」であるということだった。
とりわけ心に残ったのがブレーキフィールだ。
ローマでも十分に扱いやすい車だったが、アマルフィはペダルタッチがより自然で安心感がある。
街中でも、高速道路でも、減速したいと思った分だけ素直に応えてくれる。
この安心感は、運転の上手さとは関係なく、誰もが恩恵を受けられる進化だと感じた。
さらに印象深かったのは、日常での気遣いが明らかに減ったことである。
フェラーリというブランドには、どうしても「少し気を遣いながら付き合う」というイメージがある。
街中での低速走行、助手席に大切な人を乗せた時、渋滞や細い道──。
そんな何気ないシーンで、ドライバーが無意識に神経を使う場面は少なくない。
しかしアマルフィには、それがほとんどない。
アクセルも、ブレーキも、車の反応も、すべてが自然だった。
ドライバーへ余計な緊張を与えず、それでいてフェラーリらしい高揚感はまったく失われていない。
この「気を遣わないフェラーリ」という価値は、数字では表せないが、とても大きな進化だと思う。
フェラーリは速さだけを磨いてきたメーカーではない。
近年は、人と車との距離感をより自然なものにするための熟成にも力を注いできた。
アマルフィは、その思想がもっとも色濃く表れたGTなのではないだろうか。
ローマが完成度の高いグランドツアラーだったとすれば、アマルフィはそのバランスを崩すことなく、さらに肩の力を抜いて付き合える存在へと進化していた。
GTとは、速く走るためだけの車ではない。
長く付き合いたくなること。
そして、どんなシーンでも自然に乗りたくなること。
アマルフィは、そのGTという本質を改めて教えてくれた一台だった。

18歳で免許を取ったその日から、好奇心と探究心のおもむくままに車を次々と乗り継いできた。あらゆる立場の車に乗ってきたからこそわかる、その奥深さ。どん...
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