- フェラーリ / GTC4ルッソT(2019)
王道から少し外れたフェラーリに惹かれる理由
フェラーリの中でも、少しだけ王道から外れた存在。それでも、このクルマには旅へ出たくなる実用性と、グランドツアラーならではの品格、そしてフェラーリらしい高揚感が同居している。GTC4ルッソTだからこそ味わえる価値がある。

肩肘張らずに付き合える
バックナンバーをご覧いただければお分かりいただけると思うが、RESENSEではこれまで数多くのGTC4ルッソ、そしてGTC4ルッソTを取り扱ってきた。
もちろん試乗記としてご紹介していない個体も含めれば、その台数はさらに多い。
なぜこれほどまでに、この車を扱い続けてきたのか。
理由は至ってシンプルである。私自身が、このフェラーリを心から好きだからだ。
フェラーリというブランドには、特別な緊張感がある。
乗る人を選び、見る人を圧倒し、ときに所有することさえ覚悟を求められる。
それもまたフェラーリの魅力であることは間違いない。
しかしGTC4ルッソは、少し違う。
これほど肩肘張らずに付き合えるフェラーリは他にない。
だからといって、ローマやカリフォルニアのような軽快さとも少し違う。
V12モデルから受け継がれる堂々としたプロポーションと、シューティングブレークならではの重厚感。
フェラーリらしい迫力をしっかりと備えながら、どこか日常へ寄り添ってくれる懐の深さがある。
大人のフェラーリ
そして何より、この車は少しだけ王道から外れた存在でもある。
フェラーリを象徴するミッドシップでもなければ、伝統的な2ドア・ベルリネッタでもない。
だからこそ、その魅力は一度立ち止まって読み解く必要がある。
王道だけではない価値を見つけ、その背景まで含めて楽しむ。
そんな車との向き合い方は、どこかRESENSEが大切にしている価値観にも重なる。
今回の個体は、その魅力をさらに際立たせる一台だった。
ボディカラーはBlu Elettrico(ブルーエレトリコ)。
フェラーリらしい華やかさを備えた特別感のあるブルーメタリックであり、光が当たるたびに深く、そして鮮やかに表情を変えていく。
派手というより、華やか。
強さというより、気品。
イエローキャリパーとの組み合わせも絶妙で、このGTC4ルッソという独特なフォルムをより優雅に際立たせている。
赤いフェラーリが王道だとすれば、このブルーエレトリコは、自分だけのフェラーリを知る大人のための色なのかもしれない。
この車だけの価値
さらに個人的に嬉しいのが右ハンドルであること。
日本でこのボディサイズを日常的に楽しむなら、この恩恵は決して小さくない。
狭い路地やコインパーキングまで、あらゆる場面で自然に付き合える。
「使いやすさ」はフェラーリに求めるものではないと言われるかもしれない。
それでも、この車は旅へ出たくなるフェラーリだからこそ、その実用性が大きな魅力になる。
GTC4ルッソは、きっと多くの人が選ぶフェラーリではない。
だから市場でも派手な存在ではないのかもしれない。
しかし、必ずこの車でなければならない人がいる。
フェラーリを知り、さまざまな車を乗り継ぎ、その先でたどり着く一台。
そんな人のもとへ、この個体は届くべきだと思っている。
RESENSEが何度もこの車を扱い続ける理由も、きっとそこにある。

18歳で免許を取ったその日から、好奇心と探究心のおもむくままに車を次々と乗り継いできた。あらゆる立場の車に乗ってきたからこそわかる、その奥深さ。どん...
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