フィン・ユールのチーフテンチェア
RESENSEのショールームには、車とともに、いくつかの名作家具を置いている。 それは、空間を飾るためだけのものではない。 車を見る時間を、少し深くするための存在である。

立ったまま車を見るとき、人の意識は自然と外観へ向かう。
ボディライン、色、サイズ、そして佇まい。
まずはその車が持つ存在感を受け止めることになる。
しかし椅子に腰を下ろすと、車の見え方は少し変わる。
目線が下がる。
呼吸が整う。
車との距離がわずかにだが縮まる。
見ているというより、向き合っている感覚に近くなる。
RESENSE KYOTO北山に置かれているフィン・ユールのチーフテンチェアは、その時間によく似合う一脚である。
1949年に発表されたこの椅子は、フィン・ユールを代表する作品であり北欧家具の歴史においても特別な存在として知られている。
大きく、堂々としている。
彫刻のような造形を持ちながら実際に腰を下ろすと、印象は決して硬くない。
身体を深く受け止める安心感がある。
空間に緊張をつくりながら、人の気持ちを自然に落ち着かせる。
そのあり方が、とても美しい。
良い椅子は、眺めるだけではわからない。
触れる。
座る。
身を預ける。
少し時間を置く。
その過程の中で、ようやく伝わってくるものがある。
車もまた、同じだと思う。
強く見えていた一台が、意外なほど穏やかに映ることがある。
控えめに見えていた一台が、凛とした存在感をまとって見える。
数値や装備だけではなく、その車の前でどんな気持ちになるか。
そこに、車選びの大切な部分がある。
チーフテンチェアに座りながら車を眺める時間は、商談前の待ち時間ではない。
その車が、どんな道へ向かい、どんな時間を運んでくれるのか。
所有する前に、その一台と過ごす風景を想像するための時間である。
堂々としていながら、穏やかであること。
美しいだけでなく、身体を預けられること。
特別でありながら、日常に迎え入れられること。
チーフテンチェアの魅力は、私たちが良い車に惹かれる理由ともどこか重なっている。
フィン・ユールのチーフテンチェアに座って、クルマを見る。
RESENSE KYOTO北山での車選びは、そんな時間から始まる。

18歳で免許を取ったその日から、好奇心と探究心のおもむくままに車を次々と乗り継いできた。あらゆる立場の車に乗ってきたからこそわかる、その奥深さ。どん...
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