ルノー・セニック(2001)ミニバンの先駆者

ルノーのベストセラーであるメガーヌは、日本ではハッチバックのイメージが強いですが、本国では非常にバリエーションが豊富で、日本でいうカローラのような存在です。

そうした豊かな派生展開が当たり前だったヨーロッパにおいて、ルノーはエスパスで成功を収めたあと、その思想をよりコンパクトなサイズに落とし込んだモデルを構想しました。

それが、ルノー・セニックです。

ルノーのベストセラーであるメガーヌは、日本ではハッチバックのイメージが強いですが、本国では非常にバリエーションが豊富で、日本でいうカローラのような存在です。

そうした豊かな派生展開が当たり前だったヨーロッパにおいて、ルノーはエスパスで成功を収めたあと、その思想をよりコンパクトなサイズに落とし込んだモデルを構想しました。

それが、ルノー・セニックです。

ルノー・セニック(2001)ミニバンの先駆者

登場当初は「メガーヌ・セニック」と名乗り、あくまでメガーヌの派生であることを打ち出しながら、コンパクトMPVとしての新しさを訴求していました。

しかしその後、初代だけで約280万台を売る大ヒットとなり、途中からは「セニック」として独立したモデル名で扱われるようになります。

ルノー・セニック(2001)ミニバンの先駆者

セニックは、ありそうでなかった市場を切り開いた一台でした。フランス勢がこれに続いたのはもちろん、のちにはオペル・ザフィーラやフォルクスワーゲン・トゥーランといった各社のコンパクトMPVへ流れが広がっていきます。

エスパスに続いてルノーは再び、自動車業界に新しい流れを生み出したのです。

ルノー・セニック(2001)ミニバンの先駆者

遠く離れた日本でも、ミニバンというジャンル自体はすでに存在していましたが、「輸入車ミニバン」が街中で現実味を持って見られるようになった背景には、このモデルの存在もあったように思います。

とはいえ、セニックは日本ではややマニアックな存在に留まりました。

その理由のひとつが、当時の販売体制です。ドイツ勢と比べるとネットワークはまだ弱く、この時期はルノー・ジャポン設立前。ヤナセの子会社であるフランス・モーターズが扱っていた、いわば過渡期のディーラー車でした。

ルノー・セニック(2001)ミニバンの先駆者

輸入仕様も限られており、日本市場と噛み合わない組み合わせも少なくなかった時代ですが、セニックに関しては右ハンドルのガソリンモデルに4ATという、比較的扱いやすい仕様が用意されていました。

まさにこの個体が、その一台です。

当時としてはミニバンでありながら5人乗りですが、ベストセラーであるメガーヌに“高さ”という価値を加えたことで、日常での使い勝手はしっかり広がっています。

ルノー・セニック(2001)ミニバンの先駆者

もともと室内空間のつくり方に長けたルノーらしく、そのパッケージングの巧みさはこのモデルでも十分に感じられます。

シートの柄やインパネまわりに漂う、どこか柔らかなフランス車らしい空気感も魅力のひとつです。こうした意匠に惹かれる人には、たまらない一台でしょう。

ルノー・セニック(2001)ミニバンの先駆者

なお、セニックには派生モデルとして、シュタイア・プフが開発に関わった四輪駆動仕様の「RX4」も存在します。一見すると近い存在に見えますが、成り立ちも性格もかなり異なります。

その違いまで含めて見ていくと、セニックというモデルの面白さが、よりはっきり見えてきます。

ルノー・セニック(2001)ミニバンの先駆者
  • 永井陽向 Hinata Nagai

    絵本よりも中古車情報誌を隅々まで読み込んでいた幼い頃。それ以来、ずっとクルマに魅せられてきた。高校生の時に初めたInstagram「hinacars」では6年間で2000台以上の写真と解説を投稿。最新モデルから名車と呼ばれるクラシック、そして誰も気に留めないような隠れた一台まで。日々クルマとの新しい出会いがあり、そのたびに胸が高鳴る。その“ワクワク”を、クルマオタクとしての視点で丁寧に言葉へ落とし込みながら、読者のクルマ人生をより豊かにしていきたいと考えている。

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