スズキ・エスクードといえば、初代モデルを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。日本でRVブームが起きた1980年代の終わり、5ナンバーサイズと低価格を武器に“本気のオフローダーにもなれる”存在として人気を博しました。
2代目ではFFモデルも設定されるなど、シティ志向へと舵を切りました。
しかし、海外需要の高まりを背景に、本格4WDとしての性格を改めて強めてきたのがこの3代目です。
モダンな見た目へと進化し、ファミリーカーや昨今のSUVに近い印象を受けるかもしれません。ですが実際には、初代が持っていた走行性能の高さを、しっかりと受け継いでいます。
先代まではラダーフレーム構造を採用していましたが、このモデルではボディと一体化させたモノコック構造を新開発。
そこにフルタイム4WDシステムを組み合わせ、副変速機も備えています。
さらに4輪独立サスペンションを採用し、一般的なファミリーカーでは躊躇するような悪路でも、気負うことなく走破できる余裕があります。
内装はスポーツカーをモチーフにしたデザイン。簡潔で視認性の高いメーター、整然と配置されたインパネスイッチ、手に馴染むステアリング。
操作すること自体が楽しくなるような工夫が、随所に見られます。
いま改めて注目したいのは、このサイズ感です。
仕様にもよりますが、全長4420mm×全幅1810mm×全高1695mmと、現行モデルと比べるとひと回りコンパクト。
そこに184ps/25.5kgmを発生するV6エンジンを搭載しています。
街中でルーフテントを積んだ同世代のエスクードを見かけたことがありますが、走り・積載・価格のバランスが実に絶妙で、派手さはなくとも“使い倒す楽しさ”をしっかり備えています。
低走行の個体も減りつつあるいま、あらためてチェックしておきたい存在です。

永井陽向 Hinata Nagai
絵本よりも中古車情報誌を隅々まで読み込んでいた幼い頃。それ以来、ずっとクルマに魅せられてきた。高校生の時に初めたInstagram「hinacars」では6年間で2000台以上の写真と解説を投稿。最新モデルから名車と呼ばれるクラシック、そして誰も気に留めないような隠れた一台まで。日々クルマとの新しい出会いがあり、そのたびに胸が高鳴る。その“ワクワク”を、クルマオタクとしての視点で丁寧に言葉へ落とし込みながら、読者のクルマ人生をより豊かにしていきたいと考えている。




















