レンジローバーといえば、SUVというジャンルの歴史を語るうえで欠かすことのできない存在の一つです。
ランドローバーは、ロイヤルワラントと呼ばれるイギリス王室御用達の認定を受けてきたブランドでもあり、イギリスでは憧れの存在として知られています。
もちろん王族の方々が自らステアリングを握りドライブされることもありますが、時にはショーファーカーとしても用いられる存在。ドライバーズカーとしても、ショーファーカーとしても楽しめる二面性こそが、長く評価されてきた理由でもあります。
その中でも、このレンジローバーSVというモデルは特別な存在です。上位モデルとしてパワフルな走りを自らの手で味わうこともでき、同時にショーファーカーとして後席で快適に過ごすこともできる。レンジローバーというクルマの魅力を、余すことなく味わえる贅沢なモデルとなっています。
SVという名称は、特注生産を担う部門「スペシャル・ビークル・オペレーションズ(Special Vehicle Operations)」、通称SVOに由来しています。文字通り、スペシャルなモデルなのです。
5代目となるレンジローバーでは、ディーゼルモデルやハイブリッドモデルも選択可能となりました。新しい選択肢が魅力的に映る時代ですが、それでもなおガソリンモデルのP530は選びたくなる存在です。
BMW製の4.4リッターV8ガソリンターボを搭載し、最高出力530PS、最大トルク750Nmを発生。車重を感じさせない余裕ある走りを見せてくれます。そこにレンジローバーならではの高い視界と、ソフトでしなやかな足回りが組み合わさるのも魅力です。
そしてこの個体は、オプションでフロントシートとリアシートのカラーを入れ替える「デュオトーンインテリア」を採用。ブラウンとアイボリーの組み合わせが、見た目にも上質な雰囲気を演出しています。
さらにリアにはエグゼクティブクラスシートを搭載。通常は5人乗りとして使用できますが、肘掛けを下ろすことで4人乗りのラグジュアリーな空間へと変わります。
アームレスト内にはタッチパネル式のコントロール画面が現れ、オットマンやマッサージ機能の調整、シートヒーターやクーラーの操作まで、すべて手元で行うことができます。
オーディオには、同じくイギリスのオーディオブランドMeridianを採用。豊かで立体的なサウンドが、移動時間そのものを特別な体験へと変えてくれます。
あらゆる場面で活躍し、どのシートに座っても魅力を感じられる一台。
伝統と究極、その二つの言葉を体現するこのクルマは、まさに何物にも代え難い特別なモデルです。

永井陽向 Hinata Nagai
絵本よりも中古車情報誌を隅々まで読み込んでいた幼い頃。それ以来、ずっとクルマに魅せられてきた。高校生の時に初めたInstagram「hinacars」では6年間で2000台以上の写真と解説を投稿。最新モデルから名車と呼ばれるクラシック、そして誰も気に留めないような隠れた一台まで。日々クルマとの新しい出会いがあり、そのたびに胸が高鳴る。その“ワクワク”を、クルマオタクとしての視点で丁寧に言葉へ落とし込みながら、読者のクルマ人生をより豊かにしていきたいと考えている。







