• 日産 / プレジデント(2004)

最後のプレジデント

プレジデントは1965年に日産から誕生し、その名が示す通り、企業のトップや要人を後席に迎える最高級車として磨かれてきました。 トヨタ・センチュリーと並び、日本のショーファーカー文化を象徴する存在です。

日産・プレジデント(2004)最後のプレジデント

今回ご紹介するのは、最終型となった4代目です。

シーマとコンポーネンツを共有しながらも、外観や後席空間、静粛性などにはプレジデントならではの仕立てが与えられています。

日産・プレジデント(2004)最後のプレジデント

グレードは「ソブリン」のみで、4人乗りと5人乗りを設定。なかでも4人乗りは後席2名の快適性を徹底して追求し、前方へ格納できる助手席など、ショーファーカーとして贅沢な装備が与えられています。

今回の個体は5人乗り。華美な装飾ではなく、モケットシートを中心とした落ち着いた仕立てが選ばれています。

日産・プレジデント(2004)最後のプレジデント

室内はモケットシートの柔らかさと手触りが印象的で、後席にはサンシェード、シートヒーター、専用読書灯、鏡を備えます。

車内に入れば、最高級車として磨き込まれた静粛性の高さも印象的です。移動中に疲れないというショーファーカーの本質を体現しています。

日産・プレジデント(2004)最後のプレジデント

外装は大きなグリル、ボンネットマスコット、Bピラーを含む窓周りのメッキが重厚な存在感を放ちます。

フェンダーとリアに添えられた「SOVEREIGN」のエンブレムも、この車が担っていた格式を静かに伝えます。

日産・プレジデント(2004)最後のプレジデント

今回のダークブルーパールは、黒や白とはまた異なるプレジデントの表情を引き出します。

光の弱い場所では黒に近い重厚さを見せながら、光を受ければ青の深みが現れる。その控えめな変化も、この車の性格によく似合います。

日産・プレジデント(2004)最後のプレジデント

エンジンもプレジデントらしい4.5リッターV型8気筒で、最大出力280ps、最大トルク46kgmを発生します。

そしてプレジデントの生産終了とともに、日産の国内向け乗用車ラインナップからV8エンジン搭載車も姿を消すことになります。

日産・プレジデント(2004)最後のプレジデント

2003年から2010年まで生産された4代目プレジデントも、街で目にする機会はすっかり少なくなりました。そのなかで、走行3.4万kmという今回の個体は、これからプレジデントを知ろうとする人にとっても興味深い存在です。

この名車を良好なコンディションで楽しめる機会は、今後そう多くないかもしれません。

それは、当時の日産が、そして日本が「最高級車」に何を求めていたのか。その答えを色濃く残す一台に触れることにほかならないでしょう。

日産・プレジデント(2004)最後のプレジデント
Written By
HINATA NAGAI

絵本よりも中古車情報誌を隅々まで読み込んでいた幼い頃。それ以来、ずっとクルマに魅せられてきた。高校生の時に初めたInstagram「hinacars」では6年間で200...

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