- マツダ / RX-8(2003)
もうひとつのRX-8像
ロータリーエンジンは軽量、コンパクトで低振動、そしてしっかりとした出力を持つ独特の存在です。 1991年ル・マン24時間を制した787Bや、漫画やアニメのイメージからスポーツカーの象徴として語られがちですが、実は大人のスペシャリティクーペとの相性も抜群に良いのです。

かつてはファミリア、ルーチェ、カペラにもロータリーが設定され各モデルに「ロータリークーペ」というネームを付けることで特別な演出が施されておりました。
その背景には、世界初の実用量産ロータリーを積んだ初代コスモスポーツの存在があります。
コスモは高価で手が届かなくても、「ロータリー」「クーペ」という最先端をより身近なモデルで味わえるという演出。
それが当時の人々を強く惹きつけました。
その後もコスモとロータリーの関係は濃く、1996年まで29年間販売が続きます。
そして2003年、最後のロータリー市販車となるRX-8が登場しました。
RX-7の後継としてスポーツカーのイメージが強いですが、実はコスモの意志を継ぐ大人のスペシャリティカーでもありました。
今回の主役は、そのRX-8をあえて大人のクーペとして見直す一台です。
ボディカラーは渋いノルディックグリーンマイカ。
ロードスターにも設定された色ですがRX-8では前期のみ。
新車当時のイメージと合わず販売台数は少ないですが、今となっては街でほぼ見かけない特別な存在感を放ちます。
走行1.5万kmという低走行らしくホイールのガリ傷もなく、塗装の艶も十分。
内装はブラックレザーで統一され、ロータリーを象徴する意匠が施された厚みのあるシート。
そしてハンドルにはパドルシフト。
そう、この個体はATとなっています。
ATを選ぶと、ベースのタイプGか、豪華装備を備えたタイプEの二つの選択肢。このクルマは後者です。
マツダはコスモのようにロータリーをゆったり味わう楽しみを、このタイプEに残していたのです。
BOSEスピーカー、コーナーセンサー、純正ナビなど、当時の快適装備も揃っていてより濃くその思いが伝わります。
低走行のRX-8自体が希少になりつつある中、カラーや装備までこの条件が揃った個体はまず出会えないでしょう。
コスモの遺伝子を色濃く受け継ぐ大人のスペシャリティRX-8。
あえて選びたい、唯一無二の一台となっています。

絵本よりも中古車情報誌を隅々まで読み込んでいた幼い頃。それ以来、ずっとクルマに魅せられてきた。高校生の時に初めたInstagram「hinacars」では6年間で200...
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