大規模な設備投資も推進 7年連続で黒字達成のベントレー 電動化に向け準備

ベントレーの売上高は前年比で1%減にとどまり、市場における価格ポジションの強さと高い価値実現力を示した 。またクルーの変革が継続中で将来のBEV組立ラインは完成間近だ。

大規模な設備投資も推進 7年連続で黒字達成のベントレー 電動化に向け準備

英国発

ベントレーは、堅調な基礎業績を維持し、7年連続での黒字を達成したことを発表すると同時に、電動化に向けた準備として、歴史あるクルーのピムズ・レーン拠点における大規模な設備投資を自社資金で継続している。

一時的要因の影響はあったものの、ベントレーの中核的な事業パフォーマンスは力強さを維持した。

年間の顧客納車台数は、特に中国市場の縮小を背景に前年比5%減となったが、高収益モデルの需要拡大やビスポーク・パーソナライゼーションの進展により、売上高の減少はわずか1%にとどまった。

大規模な設備投資も推進 7年連続で黒字達成のベントレー 電動化に向け準備

ベンテイガは引き続きベントレーのベストセラーモデルであり、2025年末には「ベンテイガ・スピード」が主要市場で導入されたことで、SUVモデルの人気をさらに強固なものとしている。

価格戦略の強化、好調なモデルミックス、そしてマリナービスポーク需要の継続的な成長により、販売台数の減少による影響を抑制し、全体で26億ユーロ(日本円:約4200億円)の売上高を確保。

マリナー派生モデルの納車は前年比で増加しており、ラグジュアリー市場において「量より価値」を重視するベントレーの戦略を一層裏付ける結果となった。

営業利益は2億1600万ユーロ、売上高営業利益率は8.3%となり、この結果は、フォルクスワーゲングループによるDセグメント・プラットフォームの廃止に伴う費用に加え、米国の関税影響や為替変動によるマイナス影響を大きく受けている。

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こうした財務実績は、業界をリードするベントレーの「ビヨンド100+」戦略を引き続き支えており、拠点の整備や将来の商品投入計画に向けた投資を自社資金で推進している。

2025年は、ブランドの新たなV8ハイブリッドパワートレインを搭載した第4世代「コンチネンタルGT」および「フライングスパー」の導入を受け、ベントレーのプロダクトポートフォリオにとって移行期が続く一年となった。

需要は引き続き「スピード」および「マリナー」派生モデルに集中しており、1台あたりの平均売上高の向上と収益性の確保に寄与している。

「ベンテイガ・スピード」は世界各市場で好調な販売を維持しており、ベンテイガ・ライン全体の売上に大きく貢献。

ニューヨークで発表された最新モデル「スーパースポーツ」は、よりダイナミックでドライバー志向のモデル展開を拡大していくベントレーの意欲を示すものとなり、顧客からの反響は極めて大きく、すでに全数が割り当て済みとなっており、本年後半の初納車に向けた準備が進められている。

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組織効率化施策について

ベントレーは、長期的な競争力と運営効率への継続的な取り組みの一環として、管理職、派遣社員、非製造部門の従業員を対象とした同僚協議プログラムを実施。

本取り組みは組織体制の見直しを反映したものであり、電動化および将来の商品展開に向けた次のフェーズへの移行に備え、約275のポジションに影響が及ぶ可能性があるが、本プロセスを責任ある形で進めるとともに、影響を受ける従業員に対して適切な支援を提供していく。

本件について、会長兼CEOのフランク=シュテファン・ヴァリザーは、「2025年は、今後登場予定の完全電動モデルを含む次世代ベントレーへの準備を進めるうえで、重要な転換点となる一年でした。

高性能モデルである『コンチネンタルGT』および『フライングスパー』は、その魅力において新たな基準を打ち立てるとともに、『ベンテイガ』は引き続き当社のベストセラーモデルとしての地位を維持しており、新たに『スピード』派生モデルが主要市場に導入されました。

さらに、まったく新しい『ベントレー・スーパースポーツ』はブランドに新たな章をもたらし、当社のスポーティネスとドライバー志向を改めて示しています。

また、ピムズ・レーン拠点への投資はかつてない規模で進めており、昨年7月に開設したデザインセンターに加え、BEV生産に向けたA1棟の完成が間近に迫っているほか、本年中には新たな塗装工場の稼働も予定しています。

一方で、事業の長期的な競争力を確保するため、約275のポジションに影響を及ぼす可能性のある組織体制の見直しといった、困難な意思決定も行っています。本件の影響を受ける従業員の皆さまに対し、心より感謝の意を表するとともに、本移行期間を通じて、十分な配慮と支援、適切なサポートを提供していくことをお約束します。

これらの取り組みは、当社の投資および『ビヨンド100+』戦略と相まって、ベントレーが財務面での強靭性を維持しつつ、戦略的な方向性を明確にし、次世代のラグジュアリーカーに向けて確かなポジションを築いていくことを可能にします」と述べた。

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また、財務・IT担当ボードメンバーのアクセル・デヴィッツは、「ベントレーは、厳しいマクロ経済環境下においても、基礎的な財務パフォーマンスの強さを示し、7年連続での黒字を達成しました。

報告上の業績には一時的な会計要因や外部貿易の影響が反映されていますが、事業の基盤は引き続き堅調です。

売上の質は、規律ある価格戦略と充実したモデルミックスによって支えられており、マリナーによるビスポーク需要も引き続き成長しています。これらの結果は、ベントレーの財務基盤が堅固であることへの確信を与えると同時に、将来のプロダクトポートフォリオおよび拠点変革への継続的な投資の必要性を改めて示すものです」と述べた。

英国における製造への長期的なコミットメントのもと、カーボンニュートラルを実現したクルーのピムズ・レーン工場の変革およびBEV生産に向けた設備投資が引き続き進められており、敷地内で最も歴史ある建物であるA1棟の改修も進行中で、将来的にはBEVの組立ラインとして活用される予定だ。

さらに、2025年7月に開設されたデザインセンターにより、ベントレーのデザインおよびイノベーション機能が拠点内に集約されている。

これらの投資は、先般開設された「Excellence Centre for Quality & Launch」に続く取り組みで、新たな塗装工場は本年中の稼働開始を予定しており、顧客に約100種類におよぶカラーの選択肢を提供するとともに、ベントレーのパーソナライゼーション能力をさらに強化すると同時に、環境負荷の低減にも配慮した設計となっている。

これら一連の取り組みにより、「ビヨンド100+」戦略の推進と、クルーにおける高付加価値のラグジュアリーカー製造を次世代へと継承していくというベントレーの強いコミットメントが改めて示された。

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