未来へのクラフツマンシップとして、ベントレーのデザイナーたちはデジタル・クラフツマンシップを通じ、より高度に作り込まれた体験の創出に取り組んでいる。
英国発
ベントレーは、マリナーのコーチビルドモデル「バトゥール」で初導入したデジタル・ライト・プロセッシング(DLP)技術を進化させ、乗車時にオーナーが自分専用のビスポーク・アニメーション・パドルランプ投影をカスタマイズ可能になったことを発表した。
ベントレーは100年以上にわたり、木材、レザー、金属を用いたクラフツマンシップを受け継いできた。
現在は、デジタル・クラフツマンシップの領域へと踏み出し、光という新たな素材を取り入れることで、ラグジュアリーとデジタルアニメーションを結びつける存在へと進化している。
未来のベントレーにおいて光は、照らすためのものではなく、デザインの一部として体験を形づくる要素となる。
アニメーション投影は大きく2つのパートで構成されおり、まずドアを開けた瞬間に表示される導入シークエンスが流れ、続いて乗員を迎えるためのループアニメーションが連続して投影される。
デザイナーはキャビンやエクステリアの意匠を取り込み、それらを動きのある演出として表現することが可能だ。
たとえば、パーソナライズされた刺繍のモチーフをアニメーション化し、車全体のテーマにいっそうの統一感をもたらすこともでき、演出は、手書きのサインのように簡潔なものから、宙を舞う羽根のように繊細で精緻なものまで、オーナーの好みに合わせて幅広く作り込める。
ブカレストの建築的・文化的ランドマークであるルーマニアのアテネウム・コンサートホールを称えるマリナーの最新コレクションでは、精巧なアニメーション演出が採用された。
ヘッドレストの刺繍モチーフとダッシュボードに配された音楽的要素を軸に、オーナーのための特別なアニメーションが作り込まれており、アニメーション中央の温かみのある光を、場の雰囲気を象徴するように踊る音符が取り囲み、記念すべき瞬間を印象的に彩る。
革新的技術
この演出を支える投影システムでは、3つの色付き光源からの光を、5種類のレンズと2つのプリズムを介して、極めて先進的な8mm²のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)へ導く構成を採用。
そこで生成された光信号は、さらに5つのレンズを通って焦点を結び、ドアの開閉に合わせて地面にアニメーションとして投影される。
DMDデバイスは、41万5800個の微小なミラーで構成される小型のシリコンチップで、各ミラーの動きを制御することで、投影される映像を生成。
ミラーはアルミニウム製で、幅は16ミクロンと、人の髪の毛の5分の1ほどの大きさしかなく、ミラーとヒンジが極めて小さいため、1秒間に数千回という高速で動作でき、各ミラーがアニメーションの1ピクセルを担う。
画像は、色付き光源と前段のレンズ群で整えられた光を彫刻するように制御し、オン状態のミラーに当てることで生成される一方、オフ状態のミラーは光をプロジェクター内部のヒートシンクへ反射し、そこで吸収される。
DMDチップを通過した光は、さらに5つのレンズを経て床面に焦点を結び、アニメーションとして投影される。
こうした特注アニメーションをオーナー仕様に作り込み、投影できる仕組みは、デジタル革新と手作りのラグジュアリーの世界を結びつけ、自動車業界に新たな基準を打ち立てるものだ。


