ひとつの時代が幕を閉じる瞬間。そのフィナーレを飾るように送り出されたFタイプには、ジャガーの哲学と、終章にふさわしい完成度、そして純粋なドライビングの歓びが詰まっていた。それは、ピュアEVブランドへと移行するジャガーが、未来へ手渡す最後のエンジンスポーツだ。
2リッター4気筒ターボを憂うことなかれ。ジャガーFタイプ・クーペP300には、そのグレードにしかない愉しさと、味わいが宿っていた。敢えて選ぶモデルである。
ジャガーFタイプの内外装から、贅肉の一切を研ぎ落としたアスリートのしなやかな体の動きを思い浮かべた。走りもしかり。スポーツカー・デビューには、この車が最適といえそうだ。