ダンテルは中東のある顧客がお父様への贈り物としてつくったもので、この非常に個人的なプロジェクトはロールス・ロイスのプライベート・オフィス・ドバイを通して実現された。
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世界に一台だけのファントム
ロールス・ロイスは、世界に一台だけのファントム・ダンテルを発表。
この繊細でエレガントなコミッションのインスピレーションとなったのは、一枚のクチュールレースだ。
その生地は、希少なリバー織機で織られたもので、立体的な花のモチーフと真珠のような柔らかなディテールがあしらわれており、繊細なテクスチャーと優しい色合いが、インテリアとエクステリア両方のデザインの基盤となっている。
インテリア・スイート:レースにインスピレーションを得た優美な刺繍
ファントム独自のギャラリーは、フロントのフェイシア全体にわたって広がり、ビスポークのアートワークを飾るために特別に設計されている。
この唯一無二のファントム・ダンテルのために、ビスポークのデザイナーたちはクチュールレースにインスパイアされたフローラルパターンをつくり出した。
刺繍には、複数のステッチ技法、糸の密度、ローズゴールド、サンライズ、オートミールといった色調を重ね合わせ、花びらやシダ、レースの質感が繊細に表現されている。
フィリグリーのレースのようなベースは、トリプルランステッチによって形成され、メッシュ構造が形づくられており、その上に、シルクのような柔らかな光沢をもつ花のデザインがサテンステッチで描かれ、さらに、クチュールレースにあしらわれていた真珠を思わせるディテールが、光を捉えて繊細な深みを生み出す立体的なアクセントとして加えられた。
このアートピースは、計16万針を超えるステッチによって仕上げられている。
リアシートの間に設けられたウォーターフォール・セクションは、花のテーマを引継ぎ、ギャラリーにデザインされた植物のディテールを反映した繊細な刺繍が施された。
この刺繍は約7万針で構成されており、スピーカーグリルはローズゴールドで仕上げられ、刺繍のトーンをさりげなく引き立てるものだ。
ロールス・ロイス・モーター・カーズ インテリア・トリム・センター、ブライエニー・ダドリーは
「ギャラリーと後部のウォーターフォールの刺繍のディテールは非常に複雑で、真珠のように柔らかな光沢を捉えるようにデザインされています。
車両の周りを移動する際や、走行中に日差しが移ろうたびに光を捉え、まるでレッドカーペットでフラッシュを浴びてきらめくクチュールドレスのようです。それは完全に静止しているものに驚くべき動きと視覚的演出をもたらします」と語った。
インテリアは、サンライズとグレース・ホワイトのレザー、フロントとリアのヘッドレストに刺繍で施された「RR」のモノグラム、そしてピアノ・ホワイトのベニアで仕上げられている。
エクステリア・コーチワーク:ビスポークの色合いと手描きの装飾
ファントム・ダンテルのエクステリアは、ビスポークのツートーン仕上げで表現された。
ボディ下部はクリスタルのアークティック・ホワイト仕上げ、上部はクリスタルのパレ・ネマスカ・ドーン仕上げで、これはこのコミッションの依頼主専用のカラーとなり、ダブル・コーチラインはサンライズで描かれ、手描きのモチーフとして真珠の「実」を持つ葉の枝があしらわれ、インテリアに込められたアートワークのテーマとも呼応した。
ファントム・ダンテルには、全面ポリッシュ仕上げの22インチのディスク・ホイールが装備されており、センター部分はボディと同色、センター・ピンストライプにはアークティック・ホワイトを採用。
ポリッシュ仕上げのパンテオン・グリルにはローズゴールドのスピリット・オブ・エクスタシーが冠され、刻印入りのトレッドプレートにも、同じくローズゴールドが用いられている。
ロールス・ロイス・モーター・カーズ プライベート・オフィス・ドバイ・デザイナー、ミシェル・ラスビーは、「私たちは常々、車のコミッションにおけるインスピレーションはあらゆるところに存在する、とお伝えしています。
20年以上にわたり、お客様たちがこのことを証明し続けてくれています。プライベート・オフィス・ドバイを通して製作されたこの圧倒的な存在感を放つファントム・ダンテルは、世界有数のオートクチュールのアトリエで用いられる、上質な手仕事によるレースへのオマージュです。
刺繍という表現手法を用い、この繊細な素材をロールス・ロイスの最高峰モデルへと昇華させました。その際立つ個性、美しさ、そしてクラフツマンシップは、まさにオートクチュールの真髄を体現した一台といえるでしょう」と締めくくっている。







